恋と盲目 第3回
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 ……ピーンポ−ン
呼び鈴が鳴った。
「……来たのかな?」
「私が出るわ」
重い頭を引きずりながら玄関へ行く。
 ガチャッ……
「………………」
「………………」
「「………………」」
 ……ガチャンッ
また近所の子供のイタズラかしら……?
眼鏡を外す。
拭く。
戻す。
 ガチャッ……
「………………」
「………………」
「「………………」」
 ……ガチャンッ
何だったの今のは……?
何故かまた頭が痛くなってきたような気がする。
何故かさっきよりも悲壮感が増していたような気もする。
 ガチャッ……
「………………」
「………………」
「「………………」」
 ……ガチャンッ
驚いた、まさか貞子……いえ、濡れ女子が出てくるとは思いもしなかった。
 ……無視しないでく〜だ〜さ〜い〜……
……とうとう幻聴まで聞こえてきた。
やっぱり京司の言うように少し休んでいた方が良いかもしれない。
記者がいつ来るのかは知らないが、来るまでの間寝ていれば少しは体調も回復するだろう。
うん、それが良い。
そう結論づけると、私は……

1・鍵をかけた。
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