教授と助手とロリコンの微笑み 第2部 第5話
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朝……一日の始まり……本来なら気持ち良く目覚め、今日の活力にするはずなのに、
「海の家 深海魚」の二階にいる二人はとても神妙な面持ちでいた。
果たして今日という日を無事過ごすことが出来るか……
「弥生さん、いいですか、夜にも言いましたが、元に戻ったのはあくまで一時的なので
気を付けて下さい。次に心臓の鼓動が早くなったら………」
「もう…心配症ね。わかってるわ。またちっちゃくなるのね。」
「………はい。そしてちっちゃくなったら次に元に戻るにはアメリカの教授の到着を
待つしかないです。……あ、おやじさんが着ました。事情を説明してきますので、
呼んだら着てください。」

「お、樹くんおはよう。今日は無事だったね。」
「どういう意味ですか…、それよりおやじさん、夕子ちゃんのことで話が。」
樹は夕子が昨日の発作で、一旦自宅に帰らせたことを伝えた。
もちろん心の中では頭を下げていた。
(おやじさん、嘘ついてごめんなさい。)
「そうか…まあ仕方が無いな。それじゃまた代わりを探すか…」
「それは大丈夫です。代わりは既に見つけました。弥生さん、来てください。」
樹に呼ばれて弥生はゆっくり階段を下りてきた。
「紹介します。大学での先輩の氷室弥生さんです。」
「氷室弥生と申します。たまたま近くで遊びに来ていたら、樹からバイトの代えをして欲しい
というので引き受けました。短い間ですが宜しくお願いします。」
「あ、ああこちらこそ宜しく…」
オーナーは目を見張った。170以上はある身長に、均整のとれたボディ、ふくよかな胸、
ロングレイヤーの髪、黒のビキニを着ている姿は、誰もが美人と認めてもおかしくない容姿に驚いた。
「樹くん、ちょっと」
オーナーは樹を呼んで弥生に聞こえないように聞いた。
「一体あの美人は誰なんだい?あんな美人に海の家でアルバイトさせるのは悪いんじゃないか?」
おやじさん…弥生さんにそんなに遠慮しなくても…
「大丈夫ですよ、そんなに遠慮しなくても。ああ見えてウェイトレスの経験もあるし、
腕っぷしもあるので並の男より強いであだだだ」
突然お尻を弥生が抓った。どうやら丸聞こえだったようだ。
「なに言ってんの、樹。そんな強い女に見えるかしら〜。」
あ、そ、そんな弥生さん、猫被りながらその切れ長の目で威嚇しないで下さい。
「まあとりあえず今日は「ベストカップル大会」があるから今までで一番忙しくなるだろうから
頑張ってくれよ。」
「「はい!」」

「ねえ〜晴香ちゃん、随分一生懸命お化粧してるね〜。」
先ほどから2時間は鏡に向かってああでもないこうでもないと、
ブツブツ言いながら化粧をしていた。
「あったりまえよ。今日の「ベストカップル大会」に出て優勝して、
賞品の「熱海温泉旅館ペア宿泊券」をゲットして、樹さんと温泉に入りながら…
あん、樹さんもっと奥まで入れて…うふふふ。」
「うんうん、晴香ちゃんのその「ねば〜ぎぶあっぷ」の精神はすごいよね〜。」
麻奈美は晴香を見てニコニコしていたが、後ろに組んだ手には「五十嵐晴香」と「広崎麻奈美」の
二人の名前が書いてあるエントリーシートを握っていた。

今日の浜辺は天気も良くイベントもあり、シーズン最多の人数が来ていた。
それにともない、お店も大入り満員だった。ただ違うのは昨日と客層が違うことだった。
昨日までは家族連れやカップルが来ていたが、今日は明らかに男性客が多かったのだ。
しかも男性客の殆どは弥生目当てで、注文したついでにナンパしようと
ひっきりなしに声を掛けられていた
まあ弥生は贔屓目に見ても美人の上、ビキニの上からエプロンを付けていたらまさしく
「裸エプロン」状態なのだ。
「ねえねえ彼女〜バイト終わったら俺たちと遊ばない〜?」
「俺この先に別荘持ってるんだけど、遊びに来ない?」
「青春の夏は一度きりだから、思い出作りしようか?」
などなどあらゆるくどき文句が弥生に降り注いだが、当の弥生は「お断りします」
の一言だけだった。
ほぼ全ての男はその一言で諦めたが、ただ1人だけ、諦めなかった男がいた。
「なにそんなにツンツンしてんだよ。ちょっとで良いから付き合ってくれよ。」
「お断りします。」
お店で暴れたらオーナーに迷惑が掛かるので我慢していたが、
いい加減しつこいので弥生ももう我慢の限界だった。
その危険を感じたのは樹だった。
(弥生さんの額に青筋が浮かんでいる!ヤバイ!)
すかさず弥生の前に出た。
「お客さん、みなさんの迷惑になりますので、従業員のお誘いはご遠慮下さい。」
「なんだお前、邪魔なんだよ!失せな!!」
ナンパしていた男は樹を突き飛ばし、樹は向かいのテーブルに激突した。
皿が割れる音や悲鳴が聞こえ、辺りはめちゃくちゃになってしまった。
「樹!!!」
弥生は走って樹の下へ行った。
「樹、大丈夫?ケガは?」
弥生は心配そうに樹を見ると、手から血が出ていた。
「手から血が出てるじゃないか!」
「ちょっとコップで切っちゃいましたが、これぐらい大丈夫ですよ。」
そんなやり取りを鼻で笑ったナンパ男は
「はん!弱いくせにいきがるんじゃねえよ!それとも女の前でイイ所見せたかったか?
あはははは…。」
男のあまりの無礼に樹はもう我慢できなくなり立ち上がろうと思ったら、弥生が先に立ち上がった。
完全に怒っていたら、もう止められないだろう。

 

「や、弥生さん、お店では…」
「わかっているわ。“店”で暴れなければいいんでしょ。」
弥生さんはゆっくりと男に近づいて、体を密着させた。
「お、なんだ俺に気があるのか?それならそうとい…がはっっ!」
他のお客には見えなかったけど、樹には見えた。
(零距離から拳を腹から突き上げて、横隔膜に直撃させてる…すごい。)
体が衝撃で浮き、息が出来なくなった男を弥生は髪の毛を掴んで、
引きずるように外へ運んでいった。
暫くしたら男の悲鳴と弥生の怒鳴り声が聞こえてきた。
「樹に怪我させてただで済むと思っているの!!!」
「も、もう許して…あがっ!」
帰ってきた弥生は爽やかな顔をしていた。
「ゴミ掃除も終わったし、さて頑張るか!!」

お店に向かって歩いている晴香には作戦があった。
(今日の「ベストカップル大会」は参加人数も多いし、
ギャラリーも何千人と集まるイベントなのよね。そこで私と樹さんが
優勝…すればいいけど、最悪ベスト5ぐらいになればステージで表彰されるから、
普段から泥棒猫に誘惑され易い樹さんでも、これで私のことをもっと強く意識してくれるはずだわ。)
そう考えて晴香の足取りは軽くなったが、ふと足を止め晴れ渡る空を見上げた。
(でも…もっと…もっと強い繋がりが欲しい…)

晴香は目的地の「海の家 深海魚」の前まで来た。
相変わらず行列が出来ていたがそんなのどこ吹く風、晴香は無視して店の中へ入っていった。
(あのチビまた邪魔してきたら承知しないわよ!)
周りを見渡していたその時、ウェイトレスをしていた弥生と目が合った。
弥生と晴香の視線が交差した時、晴香はふと懐かしさを感じた。
(あの目、瞳の奥で激しく燃えている嫉妬の炎…どこかで見たような…あ、そうだわ!
数多の樹さんに寄ってきた泥棒猫が持っていた目だわ!!まさかこの女も?)
晴香がじ〜っと弥生を見つめていたらふっ、と弥生の表情が和らいだ。
「いらっしゃいませー、すいませんお客様ただいま大変込み合っていますので
外の列に並んで頂けますか?」
ちょっと面食らった晴香はどもりながら
「あ、い、いえ、食べにきたんじゃなくて、こちらに勤めてる佐藤樹さんに用があって…」
「そうでしたか。只今樹は厨房に居ますのでお呼び致しますので少々お待ち下さい。」
営業スマイルを振りまいた弥生さんはそう言って奥の厨房へ行った。
晴香は言い知れぬ違和感を感じていたが、それがなにか分からなかった。
(う〜ん、あのウェイトレス、何かよそよそしいような…)
だがそんな疑問も樹の姿を見れば全部忘れてしまった。
「あ!樹さーーーん、「ベストカップル大会」に行きましょーーー!」
無駄にテンションの高い晴香は樹を見つけた途端叫んでいた。
「晴香ちゃんはいつも元気だね…」
「や〜だ〜、樹さんさえ居れば一億馬力ですよ。あ、ちなみに
愛の告白をしてくれれば∞馬力ですから」
晴香のテンションに樹は困惑したが、やはりこの元気があっての晴香だと思わずにはいられなかった。
「とりあえずまだバイトだから先に行って待ってて。エントリーは俺が行ったら出しとくから」
「わかりました。なるべく早く来て下さいね。ちゅっ♪」
投げキッスをして晴香は店を後にしたが、用件を喋っている間、樹は生きた心地がしなかった。
後ろの厨房から聞こえる一斗缶を蹴飛ばす音が怖かったのだ。
(さっき呼びに来た弥生さん…表面は笑っていたけど…怖い…)

「さてお待ちかねの皆さん、只今より「ベストカップル大会」のエントリーを受け付けまーす。
「イリュージョンの部」は左、「セイレーンの部」は真中、「ラブラブカップルの部」は右に
それぞれ入って、受付して下さい。」
まだ始まるには数時間はあるのに、もう周りには参加希望の人とギャラリーとで一杯だった。
バイトを終えた樹もエントリーしようと「ラブラブカップルの部」の受け付けに来た。
「エントリーされる方はこちらの用紙に必要事項を記入し、提出して下さい。」
樹は必要事項を記入し、ナンバープレートを受け取った。
「はい、佐藤樹さんと五十嵐晴香さんですね。それではこのナンバープレートを付けて下さい。
順番が来ましたら放送でお呼びします。」
意外にあっさりと終わり、樹は晴香との待ち合わせ場所へ行こうとしたが、足取りは重かった。
(気のせいか、なんか嫌な予感がするんだけどな。何もなければいいけど)

(なによ、一緒に行こうって言っていたのに晴香と行って……
そりゃ晴香との約束の方が先だったけどさ……ばか。)
樹を見送った後、そんなことを考えていたらオーナーが心配そうな顔をして聞いてきた。
「弥生ちゃん、お店はもういいから樹くんを追い掛けたら?」
どうやらオーナーは私のことを気遣ってくれてるようだ。その気持ちは素直に嬉しい。
「ありがとうございます。ですが私は、樹が晴香とエントリーした時点で
樹とはエントリー出来ませんので、追い掛けても仕方ないです。」
「でも…」
「大丈夫です。私なりに考えてますので、オーナーも見にきて下さい。」
それだけ言うとオーナーは納得したのかそれ以上言わなかった。
弥生は何か固い決意でもしたのか、真剣な顔をしていた。
(晴香……第二ラウンドの始まりよ!)
「弥生ちゃん、ちょっと聞きたいんだけど、もしかして樹くんのこと…好きなの?」
「!!」
まさかオーナーに聞かれるとは思わなかったわ。そうね、多分先月に同じように聞かれたら
「いえ、ただの後輩です。」
って答えていただろうな。でも今は……
「いえ、“好き”ではなくて“愛して”ます。」

「さぁーーーー!!!!!遂に今年も始まりました、「ベストカップル大会」!!、
なんと今年から「イリュージョンの部」と「セイレーンの部」という二つの部門を増やして
さらにパワーアップしました!!!各部門の説明は後にして、まずは審査委員の紹介から…」
会場は異様な熱気に包まれ、いやが応にも気分が高ぶってくるのを感じていた。
周りを見るとカップルがエントリーを待っているため、カップルだらけだったが、
肝心の晴香は野暮用とかで麻奈美と一緒にどこかにいってしまい、樹一人で待っていた。
「それではちょっと前置きが長くなってしまいましたが、早速始めましょー!」
司会者の声とともに会場はさらにヒートアップし、耳が割れんばかりの声援に会場は一体になった。
「それではまずは「イリュージョンの部」の紹介から致します。この部門はもちろん
手品をするわけではありません!!男と女の組み合わせだけがカップルなのか?
いえ違います。人によってはいろんなパターンのカップルがあります!!
この部門では貴方が自慢するカップルを見せ合う部門です!!
同性や幽霊や宇宙人なんでもあり!!!それでは一番からどうぞ!!!!!!」

なんでもありということで、なるほど本当になんでもありだった。

男同士
ペット(犬)と飼い主
フィギュアを持った男



「…ちょっとなんでもありすぎましたね。それではラスト十番の方どうぞ!!」
…………ん?あれ?出てこないな。でもピンマイクのスイッチは入っているから声は聞こえてきたな。

「……!やっぱり嫌!なんでこんな色物のステージに出なきゃいけないのよ!!!!」
あれ?この声どこかで…
「だって〜晴香ちゃんと一緒に出たかったんだもん。だから、ね♪」
「ね♪じゃないわよ!!樹さんに誤解されたらどうするのよ!やっぱり嫌!!」
晴香ちゃん、全部聞こえてるよ……。
「そんな…晴香ちゃん…くすん……ぐすっ」
「あーっ!泣くな!…解ったわよ!出ればいいんでしょ!…ったく」
「わーい!だから晴香ちゃんだ〜いすき!じゃ、いこ。」
「ちょっと麻奈美!あんた嘘泣きしたわね?あ、ちょっと引っ張んないでよ!」
その声とともに晴香と麻奈美はステージ上へ現れた。
「さーて最後の出場者はかわいい女性二人組みだーーーー!」
さすがにいままで色物ばかり出てたので、かわいい女性二人組みに会場は大いに盛り上がった。
「さて、それではお名前をどうぞ!!」
「……五十嵐晴香」
「広崎麻奈美で〜す。ラブラブカップルですよ。」
「いやー、お二人ともとてもカワイイですね。それじゃ二人の出会いはいつだったんですか?」
「え〜と、出会いはですね〜、私が高校生の時に、同級生に苛められていた所を
晴香ちゃんが助けてくれたんですよ〜。それからはず〜っと一緒です♪」
麻奈美はそのことを思い出したのか、ぽ〜っと顔を赤らめてもじもじしながら
晴香を見つめているが、当の晴香は複雑な顔をしていた。
(はあ…あの時は別にあんたを助けたんじゃなくて、苛めっ子がたまたま
樹さんにちょっかいかけてた泥棒猫で、たまたま見つけたからボッコボコにしただけなんだけどな…)
「さて、全十組全てでそろいましたー!この中で果たして勝利の栄冠は誰に!!!」
全員が固唾を呑んでいると、司会者に一通の手紙が渡された。
「発表致します。「イリュージョンの部」優勝は…………五十嵐、広崎のペアだーーー!!」




「おつかれさまー。どうだった?」
樹が会場から出てくる二人を見つけて話しかけた。
「あ!佐藤さん!見てください!優勝トロフィー!!」
見事二人は優勝してしまったのだ。でも晴香の表情はやっぱり複雑だ。
「「イリュージョンの部」で優勝してもなー、やっぱり「ラブラブカップルの部」で優勝しなきゃ。」
とはいえ副賞の和牛一年分はかなりすごいな。
「えーと、次は「セイレーンの部」?どんな部門なの?」
「「セイレーンの部」は〜、純粋に女性の美しさを競う部門で
す。プロポーションや一般知識の造詣などなど、ですかね〜。」
「へー、詳しいね、麻奈美ちゃん。」
そう言うと麻奈美は首を傾げたが、直ぐにああー、と言い
「知らないんですか〜、私この大会の「すぽんさー」なんですよ〜。」
「「えーーーー!!!」」
麻奈美ちゃん…………すごい。

一区切りついた所で樹は弥生を一人にしてしまったので心配になり、一旦お店へ戻った。
「親父さん、弥生さんは?」
「ああ、弥生さんなら会場へ行ったよ。」
会場?入れ違いになってしまったか。戻ろうとした時、親父さんに呼び止められた。
「樹くん、余計なことかもしれんが、弥生さんの側にいなよ。
もしかしたらあれでけっこう寂しがりやかも。」
樹は頷いて会場へ走って戻っていった。
会場へ戻ってみると、会場では「セイレーンの部」が始まっていた。
「さーて、最後の方は、な、なんと予選のペーパーテストで百点を取った才媛!!
美貌もプロポーションも完璧なまさに完璧超人!!それではラストの方どうぞ!!!!」
ゆっくり歩きながらステージに上がった女性を見て樹は我が目を疑った。
「や、弥生さん、いつの間に???」
樹が驚くのと同時に晴香も驚いた。
「あ!あの女!!樹さんのお店にいたウェイトレス!!」
だが、麻奈美だけは……
(あ〜、あの人氷室弥生さんだ。ふ〜〜〜ん。)
周りのギャラリーも弥生を見て
「おおーー!」や「あ!海の家にいたウェイトレスだ!」などなど様々な反応を見せていた。
「審査結果が出ました!!なんと満場一致!!優勝は・・・・氷室弥生さーーん!!」
会場は割れんばかりの拍手と声援に包まれ、弥生には優勝トロフィーと
副賞のエステサロン五万円分が渡された。
(すごい…さすが弥生さんだ。)
だけど樹は知っていた。今だけ一時的に元に戻っているだけで、時が来れば
またちっちゃくなってしまうことを…そう、まるで12時になったら魔法が解けてしまう
シンデレラのような…
なんでこの部に出たのかは分からないけど、今だけは何もかも忘れて楽しんでもらいたい。
樹はそう願わずにはいられなかった。

「あ!樹さーん、探しましたよ。そろそろ「ラブラブカップルの部」が始まっちゃいますよ。
行きましょ!」
晴香は樹の腕に抱きつき、会場の受付へいった。晴香の満面の笑みを見て樹は苦笑した。
待合室に入ると、出番を待つカップルで一杯だったが、周りを見ていた樹は居心地の悪さを感じてた。
(そういえば晴香ちゃんって周りに俺のこと自慢しているようだけど、
自慢されるほどの男じゃないよな………)
周りのカップルの男性を見て、劣等感からか自分を卑下して見てしまったので、
晴香に聞いてみた。
「ねえ晴香ちゃん、考えてみたらさ、なんで俺のことが好きなの?」
「え?」
「ほら、周りにはもっと格好いい男も一杯いるしこんな平々凡々でつまらない
俺のどこが良いのかな?……ってね」
晴香は驚いたような顔をしていたが、急にニコッと笑っていきなり唇を合わせてきた。
「ん?…………ん、ん、ぷはぁ。いきなりどうしたの?………え?」
驚いた樹だったが、ふと見ると晴香の目には涙が溢れていた。
「そんなこと言わないで下さい!!樹さんじゃないとダメなんです!!他の男なんて問題外です!!
高校の時に初めて会って……一目ぼれで……私はあなたがいないと…だから自分に自信を
持って下さい!私こと五十嵐晴香にとって佐藤樹さんはかけがいのない…
愛してるって言葉じゃ足りないくらい愛してるんですから!!!」

次回第六話「愛とユウキ」


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