姉妹日記 第16話A
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 私は思いを堪えきれず、涼さんの病室に向かう事にした
 病室の前・・・・そこには夏美さんが仁王立ちし、私を睨み付けた
「何しにきたの・・・・・」
「・・・・・・・逢わせてください」
「言ったでしょ?あんたが涼ちゃんに近づくだけで・・・・涼ちゃんは不幸になるの」
 違う、違う!違う・・・・・違う!!!!
「あなた、悔しいだけでしょ・・・・」
 そうだ、この人は悔しいだけなんだ・・・・
 だから八つ当たりして・・・・
「な、なにを・・・・・」
「ふふ、子供みたい・・・・おもちゃを取られて泣きじゃくってる・・・・」
 私は見下した態度を取り一歩ずつ少しずつ、夏美さんに近づいていく・・・・
「うるさい!私はあんたみたいな泥棒猫に涼ちゃんが汚されないようにしてるだけ!」
 冷静になって見てみるとこの人は私の敵ですらない・・・・・
 まるで幼稚、幼すぎる・・・・それでワガママ・・・・
「最低・・・・あなた、自分のことばかりで涼さんのこと考えていない・・・・・」
 その言葉に夏美さんは明らかに怒りのそれの表情をし、今にも掴みかかってきそうに殺気だった
「黙れ!黙れ!黙れ!あんたが・・・・あんたが悪いのよ!
 あんたが私の涼ちゃんを横取りするから・・・・だから!」
 やっぱり、涼さんを物かなにかと勘違いしているんじゃないですか?
 このヒト・・・・
「全部あんたが!涼ちゃんを惑わすから・・・・冬香なんかに・・・・涼ちゃんを・・・・」
 あれ?協力関係に見えて・・・・そうじゃなかったんですか?
 ますます幼稚ぶりに拍車が掛かってきましたね
「知っていますか?涼さん、私を抱いてくれるときいつも愛してるって囁いてくれるんですよ?」
 思い当たる節があったのか眉を吊り上げて夏美さんが私に憎悪のような物をぶつけて来る
 怯むことなく私は続けた

 この人に自分の立場って者を教えるために・・・・
「あなたに一度でも涼さんは言いましたか?ないですよね?
 私、見てましたもん・・・・拒絶の言葉だけしか言わない涼さんを」
 今度は体中の血の気が引き青ざめてきた・・・・ふふ、そうです
 現実を見てください・・・・夏美さん
「嫌だ・・・・やめてくれ・・・・ほんとに涼さんのことを思っているのなら・・・・
 やめていたはずですよね?」
「違う!違う!違う!違う!悔しいのはあんたのほうだよ!私と涼ちゃんが愛し合ってるのを見て
 嫉妬してるだけでしょ!」
「ふふ、子供ですか貴方は・・・・誰が見たって涼さんと愛し合ってるのは私ですよ」
 往生際が悪すぎる・・・・しつこい・・・・
「もう、ストーカーですね・・・・気持ち悪い」
「あんた、涼ちゃん刺したくせになにを言ってるの?」
 ・・・・また自分の手が血に染まって見えた
 でももう引かない、私はなによりも誰よりも涼さんを愛しているから・・・・
「元をたどれば、貴方たちが涼さんを監禁したのが原因でしょ」
「涼ちゃんの目を覚ませる為よ」
 子供の理屈で夏美さんはそれを正当化しようとしている・・・・
 ここはお姉さんの私が現実を知らしめてあげないと・・・・
「そうやって、貴方たちは嫌がる涼さんを逆レイプしたんでしょ?」
 嫌だ、やめてくれ・・・・秋乃さん・・・・
 響く言葉を聞くたびに口を歪め目を細め私を睨んだ瞳・・・・
 それを思い出し私は高みから見下ろした・・・・
「私へのあてつけの為に・・・あなたたちは涼さんを苦しめた!」
「うるさい!この泥棒猫!!!!!!!」
 瞬間、夏美さんの両手が私の首を掴み締め上げてきた
「ぎゃ、逆上?・・・・・う・・・・こども・・・・なんですね」
「死ね、あんたが死ねば・・・・涼ちゃんは!」


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