姉妹日記 第15話
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 病院に着くと涼さんとすぐに手術室に運ばれた
 私と春乃はすぐに警察に呼び出され、病院内で事情を聞かれた
 でも涼さんが救急隊の人に言った言葉・・・・
『事故なんです、彼女たちは・・・・なにも悪くありません・・・・僕の不注意なんです』
 その言葉で少々特異ではあるものの事故として調べているらしい
 なにも言えない私たちに警察の人は諦めて去って行った
 手術室に戻る途中だった
「あん、よく戻って来れたわね・・・・」
「・・・・・・・・」
 憎悪と怒りをあらわにした冬香さんと夏美さんが私たちの前に立ちはだかった
 春乃は状況がわからず、この二人は誰?という表情で見つめている
 そんな春乃を無視して冬香さんが私に掴みかかってきた
「あんたのせいで、お兄ちゃんは!お兄ちゃんは!!!!!」
「・・・・・・・・」
 無言の夏美さん、なじる冬香さん・・・・
 私は二人の表情を見て顔を青ざめるだけでなにも応えなかった
「・・・・・・・・」
「もう、お兄ちゃんに・・・・近づかないで!」
「あんたが、近づくだけで・・・・涼ちゃんが不幸になるのよ!」

 そのあとなんとか手術は成功し、涼さんは一命を取り留めた
 けどいまだ意識は戻らず昏睡状態のまま・・・・
 私は何度か面会を申し出た・・・・
 少しでも、涼さんの近くに居たかったから
 でも、夏美さんと冬香さんの二人が私と春乃はなにがあっても通すな・・・・
 そう言ったらしく、家族の意見だからと看護士さんたちは面会を許してくれなかった
 謝罪したかった・・・・
 涼さんを傷つけもしかしたら殺していたかもしれない・・・・
 考えただけど恐ろしくなった
 世界で一番愛しい人を私は自らの手で・・・・
 見つめた両手が血に染まって見えた・・・・
 怖い、怖い・・・・・私は自分が怖くなった・・・・
 もしかしたら・・・・二人が言うように私と一緒に居ることで涼さんを
 不幸にしてしまうのかもしれない
 でも・・・・諦めるなんて出来ない
 私は・・・・涼さんに心も身体も捧げた・・・・
 これからも・・・・・ずっと・・・・・
 私・・・・は・・・・・

 

A『なにがなんでも涼さんの病室に向かう』
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