とらとらシスター 第20話
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 メールの着信音で目が覚めて、ゆっくりと体を起こす。内容の確認をしてみると
 青海からのもので、今日は遊びに来れないという旨が書かれていた。
 昨日遊びに来たときの帰りに来れないかもしれないと言っていたから予想はしていたものの、
 やはりそうなってしまうと寂しさが込み上げてくる。今日は日曜日だから
 明日の朝になれば会えるけれども、僕の存在を日常に留めてくれる青海が居ないと不安になそうだ。
 でも居ないものは仕方がない、青海のことは諦めて今日はどう過ごそうかと考える。
 ノック音。
 誰だろうかと思ってみたが、消去法ですぐに答えは出る。
 母さんと姉さんは進路相談で学校に行くということを昨日の夕飯のときに言っていたし、
 父さんは急な出張で隣の県で僕らのご飯を食べさせるために頑張ってくれている。
 青海はついさっきメールで来れないことを伝えてきたばかりだから、残っているのは、
「サクラ?」
「はい」
 体調でも悪いのか、少し上擦ったような声で返事が来た。
「失礼します」
 紅潮したような顔でゆっくりと戸を開き、ふらふらとしながら入ってきた。
 顔を伏せているので長めの前髪が表情を隠していて詳しいことは分からないけれど、
 いつもとは明らかに様子が違う。
 もしかして本当に体調が悪いのだろうか。

 最初は姉さんに対するような恐怖の気持ちがあったが、純粋に心配になってきた。
 僕の部屋にわざわざ来たということは、何かあったんだろうか。
 家族が今は僕しか居ないから来たのかもしれないけれど、それにしてはどうも様子がおかしい。
「大丈夫か?」
「だ、い、じょう、ぶで、す」
 呼吸も荒く、途切れ途切れに言葉を繋ぐ。誰が見ても大丈夫だとは思えない。
 この調子では何をするのも大変だろう、
 僕も去年酷い風邪を引いたときに体験したからよく分かる。
 成程。
 言いに来たのは、
「あ、昼御飯か。心配するな、代わりに僕が作るから」
 家事が出来ないことを言いに来たのか。
「それは大丈夫です、素麺を茹でておきましたから。病み上がりの兄さんでも食べやすいでしょう。
 足りないなら後でおにぎりでも作ります」
 こんな状態でもしっかりと家事をするのは、僕には真似が出来ない。
 サクラは、確かに勉強も苦手だし運動もあまり得意ではないけれど、
 料理も美味いしいし性格も素直だし、とても良い娘だと思う。
 身内の贔屓目を抜いても、きっとそうだ。
「それよりも」
「ん?」
「お話があります」
 何だろう。
「一昨日、見て、しまったんですよ」
 まさか。
「兄さんと、姉さんが」
 その先を言うな。
「セックス、してるのを」
 思考が一瞬で白く染めあげられていく。
 ついに来たか、と思った。

 それはあんな時間からしてしまっていたから、誰かに見られるかもしれないとも思った。
 心辺りもある、きっと廊下から物音がしたときだ。
 それは多分、サクラが僕と姉さんが絡むのを覗いていたときにたててしまった音なのだろう。
「それは」
「兄さんは、姉妹でも、抱けるんですね」
 反論しようとしても、口の中がからからになって声が出ない。
「姉妹でも、抱くんですね」
 怖い。
 ついさっきまでは普通の兄妹だった筈なのに、今はどこかがずれている。
 何年も使って馴染んだ僕の部屋もまるで初めて来た場所のように思えるし、
 目の前に立っているサクラも別人のように思えてくる。部屋に入ってきたときの姿勢のまま、
 棒立ちで下を向いて、肩だけを震わせながら小さな笑い声を漏らしているその姿は
 人間かどうかも怪しく見える。
 こいつは、本当にサクラなのだろうか。
「そんなに怯えないで下さい、誰にも言いませんから」
 サクラはゆっくりと顔を上げ。
「その代わりと言ってはアレですが」
 表情が見えてくる。
「私を」
 赤く染まったその表情は。
「抱いて下さい」
 にやり、と笑っていた。
「兄さん」
 スカートの中から粘度の高い蜜が糸を引き、軽い音をたててフローリングの床にぽたりと落ちる。
 それが引き金となって、ここは完全に異世界になった。
「さあ、早く」
「サクラ、お前は言っていることの意味が分かってるのか」

 今更だと思うけれども、きっとまだ引き返すことが出来る。
 まだ相手をしているのは、姉さんだけだ。
 だからサクラの相手をしなければ日常の世界に止まり続けることが出来る。
 それに姉さんの場合は逆レイプのようなものだったけれど、
 この瞬間に手を出したら完全に青海を裏切ることになる。
 言い訳がましく脳内で呟く間にも、サクラはにじり寄ってくる。
「愛して、います」
 そう言うサクラの目は、完全に獲物を狙う虎の目だ。
「お前は、抱けない」
 更に一歩。
 距離を取り続けるように僕もベッドの上で後退するが、すぐに限界はやってきた。
 壁が背中に当たる感触で、もう後ろに下がれないことを知る。
 尚もサクラは寄ってきて、もうお互いの顔の距離は5cmもない。
「絶対に、抱けない」
 残っているのは、言葉だけ。
「仕方ないですね」
 諦めてくれたのか。
 だけど何だろう、この胸に残っている不安は。
「兄さんが姉さんとセックスをしていると知ったら、青海さんはどう思うでしょうか」
「それは、ちが」
「兄さんも、腰を振っていたのにですか?」
 浮かんでくるのは青海の笑顔、僕の好きな恋人の僕の好きな表情だ。
 サクラに姉さんと僕のことを告げられたら、彼女はどんな表情をするのだろうか。
 侮蔑、嘲り、嫌悪、害悪、きっと嫌われるに違いない。それだけは間違いないだろう。
「更に」
 僕が一瞬動きを止めたのを見計らって、サクラが唇を重ねてくる。
「これも、ですね」
 言い終わって、再びキス。

 今度は先程のものとは違い舌を絡める激しいもの、まるで口の中を味わい尽くすように
 縦横無人にむさぼってくる。いつの間にか、サクラに応えるように僕も舌を動かしていた。
「ふはぁ…兄さんも満更じゃないみたいですね」
 透明な糸が引き、唇の間に橋を作った。
「どうします?」
 僕はサクラの肩を掴むと、強引に押し倒した。唇を重ねて強引に舌を割り込ませ、
 手はシャツのボタンを外していく。ブラは着けていなかったらしく、
 前面を開くと肌が表れてくる。きめの細かい表面は、なぞるだけでも指先に心地良い。
 サクラはそれだけで快感なのか、緩急をつけて下へと向かっていくと長い声を漏らした。
 十分な時間をかけて、下着へと辿り着く。クロッチ部分は布越しでも分かる程に濡れ、
 洪水のようになっていた。割れ目の辺りを指で擦り、下着を降ろして密壺を軽くなぞる。
 浅く指を入れて指を動かすと、水っぽい音が部屋に響いた。
「に、いさ、ん。むね、と、おし、り、も」
 サクラは顔を赤くしたまま、両手で表情を隠すように覆った状態で懇願してくる。
 唇の端から垂れている唾液が、年不相応に妖しく飾りたてていた。
 注文に応えるように桜色の胸の先端の突起を吸い、舌で転がし、時には歯を軽く立てて噛んだり、
 逆に唇を使って柔らかく甘噛みをしたりもする。股間に這わせているのとは逆の手で
 もう片方の突起を軽く摘み、押し潰し、指の腹で転がすように擦りあげると甘えた声を出し始めた。

「は、やく、し、たを」
 急かすように言ってくるサクラは余裕が無いのか、体を小さく震わせている。
 割れ目の上の方にある突起を親指の腹で擦りながら前と後ろの穴の周辺を同時になぞり、
 ゆっくりと指を侵入させると処女特有の締め付けが襲ってきた。軽く掻き混ぜると、
 それだけで達してしまったのかサクラの体が大きく痙攣し、指にかかる圧力が強くなった。
 そろそろだろうか。
「入れるぞ」
「は、やく、くださ、い」
 一度達して脱力したサクラの太股を掴み、軽く上げる。
 まだ痙攣している割れ目に先端を当てると、処女幕の抵抗を破り、一気に突き入れた。
「繋がっ、たん、ですね」
 痛みのせいか、目尻に大粒の涙を浮かべながら、絞り出すようにサクラは呟く。
 確かにこの小さな体では辛いだろう、両手でシーツを掴んで堪えている姿が痛々しい。
「動くぞ」
 念のために告げてから動きだす。
 姉さんの場合はねっとりと絡み付いてくる感じだったが、
 サクラの場合はひたすら強く圧迫してくる感じだ。未発達な体の上、
 根本まで埋まらないような幼い性器だから無理はないのかもしれない。
 それでも粘膜が擦れる感触は気持ち良く、暫く動かしていると射精感が込み上げてきた。
「サクラ、出そう」
「中、に、下さ、い」
 抜こうとしたが腰にサクラの脚が絡み付きて、引き抜くことが出来ない。
 普段弱い筈の力がとても強く、振りほどくことも出来なかった。
「出し、て」
 言葉と共に膣が更に締め付けてきて、
 僕は中にぶちまけた。


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