生きてここに… 本編 第17章
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あの日の三日ほど前に生活担当に呼び出された私はあることをそこで言われた
『月緒から報告があった・・・・・イジメをしているね?』
イジメ?あれは制裁よ
己の立場もわかっていない雌犬への制裁
正当なモノよ・・・・・
だから私は首を横に振った
するとあの教員ってばなにを思ったか私の家に明日行くって言い出したの
どういうこと?・・・・・
もしかしてイジメを理由に私を退学させて仁さんとの時間を奪うつもり?
そうはさせない
私は家の少し前で教員を待ち構え角から出てきたところで心臓に向かって刀を突いた
私を確認するその目に映るもう一人の私がこう言う・・・・
『邪魔をするならすべてを消せばいいの・・・・』
『こうやってね?・・・・・』
仁さんと私の障害は大きくなる前に斬り捨てる
汚い遺体を私は家の庭に埋めた
そのあとお風呂で身体を洗う
仁さんだけの身体なのに・・・・ごめんなさい、汚しちゃった
でもいいわ・・・・私たちを邪魔する者なんてゴミ以下でしょ?
もしろ褒めてくれるわよね?

きぃ・・・・・きぃ・・・・・きぃ
歩く度に木が軋む
この音を聞くのも久しぶりだわ
まず自分の部屋に戻って包帯を取り出す
鏡を見る・・・・焼けた自分の頬がなぜか綺麗な物に思えた
とりあえず右手と右足に・・・・
焼かれた肌を真っ白な包帯で包み込む
そのあと自分で斬った傷を
そのあと右頬にガーゼを・・・・
あとで仁さんに慰めてもらおう
仁さんのためにこんな姿になったのだもの・・・・
一人笑んでいる私の向こうで襖が開いた
父と母だ・・・・
二人は信じられないといった風に私を見ている
酷いわね、まるで幽霊でも見ているみたいに
声を掛けると父は・・・・
『一緒に警察に行こう・・・・いや、その前に病院か』
警察?病院?私をそんなところに閉じ込めてどうするつもりなの?
そんなことはさせない!その間にどんどん仁さんがあの雌犬どもに汚されてしまう
ああ・・・・あの汚らわしいその手で仁さんに触れるなんてもう許せない
電話を手に取る父にそっと歩み寄る
目線を合わせた父がゾッとして青くなる
私は手に持った刀で父の身体を真っ二つに切り裂いた
すごい、女一人の力で人間の身体を裂くことができるなんて
逃げ惑う母の背中に縦の傷を入れる
倒れる母の背中に私は刀を突き刺した
あは・・・・やったわよ、仁さん・・・・また二人の邪魔をするゴミを消したあげたわ
外に出て仁さんの家のほうに向かう
途中で私は仁さんの姿を見つけた
「見つけた・・・・・仁さん」
隣に一匹雌犬がいるけど
今は再会を喜びあいましょう?
ね、仁さん・・・・・


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