Which Do You Love? 第11話
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気付いたらまた部屋で自慰をしていた。無我夢中になって帰ってきたのだろうが、記憶にない。
パジャマしかきていない薄着で、雨の中を走って来た。
人が好奇の目で見ていたが、全く気にしなかった。
聖がもう手の届かない所まで行ってしまった。
それは世界が無くなるのにも等しかった。
もう何をしても無価値だ。
そう思う度に、体が快感を求めていた。だが何度自慰をしても、もう自分の手では満足出来なかった。
聖の手で愛撫された時は、本当に幸せの絶頂だった。
あの最初で最後のチャンスで、聖に処女を捧げられなかったことに後悔する。
じゃあ他の男に変えるのか?そんなのは死んでも嫌だ。聖以外の男となどに触られるなど以ての外だ。
でも今はあの女が聖の隣りにいる。あの女が得意な作り笑いを浮かべ、聖をだまそうとしているんだ。
自分が聖にしてもらうはずの事を今しているかもしれない………そう思うと、怒りの抑えようが無かった。

バリン!!

手近にあった鏡を割って気持ちを落ち着かせる。
何故あの女は聖を狙うのだろう?あの高慢チキな態度からは、全く愛が感じられなかった。
それで結婚しては、聖がかわいそうだ。
そうだ……私が聖をあのハイエナ女から助けてあげる事が天命なんだ。
こうなったらあの女の尻尾をつかまえて、脅しまくってやる!!!!
「あはははは……待っててね聖……すぐに助けてあげるから…あの女を潰してやるから……」
荒れ果てた部屋で、一人妄想を捲し立てる。弱みを握ったらどう料理してやろうかしら……婚約解消はあたりまえ
薄汚い男どもに襲わせて輪姦……
私たち夫婦の(もちろん聖と)小間使。
はたまた精神的に追い込んで自殺……
売春婦にして稼がせるか……
学校の男どもの精液便所も悪くない……
「ふふふ……楽しみ……覚悟しなさい………」
聖に抱かれる妄想以外で、ここまで浮かれるのは初めてだった。
早速あの女のあとをつけるしかない。確かあの有名な会社の娘だ。
会社の近くに家があると聖が言っていた(なんであのクソアマの家を知っていたかは後で問い詰めよう)
から大体はわかるだろう。
桐原奏…桐原……どこかで聞いた名字だったが、そんなの今は関係ない。
私が今やれることは一つだけ。聖の開放だけだ………


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