危険な男 第1回
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 私のクラスには危険な男がいる。
 別に何か問題を起こしているわけではない。一見人畜無害などこにでもいる男だ。
 しかし危険な男だ。ただクラスのみんなは気づいていない。
 でも私だけわかる、彼のもつオーラが私の第六感を刺激する。
 あいつが近づいてくると落ち着かなくなる。話しかけられると身構えてしまい返事がうまくできない。
 私は勘がいい方だ。あいつはきっと近いうちに何かしでかす。私には分る。
 何かしでかした時すぐに対応できるよう可能な限り監視することに決めた。
 やはりあいつを見ていると落ち着かなくなる。それでも細心の注意をはらって瞬きさえ止めて監視する。
 別の女の子と話している。私の第六感を激しく刺激する。
 ――そうか、こいつのやろうとしている事は婦女暴行か。
 よし殺そう――いけない論理飛躍しすぎた。
 いくらなんでも十数年間は人畜無害に問題なく過ごしてきた人間だ、
 話しぐらいは普通にできるはずだ。話せばわかるかもしれない。
 しかし話す内容が内容だ。できれば二人きりで話そう、そう食事でもしながら。
 性的欲求が原因なら――まあ私でなんとかできるだろう。
 でも、それが駄目だからといって殺すというのは倫理的にはよくない。
 体を縛り付けてしてしまえばもう悪いことが出来ないだろう。
 でもそのまま放っておいたら死ぬに違いない。いくら悪人だからといって
 野垂れ死にさせれるほど私は非常にはなれない。
 だからきちんと面倒を見よう、最後まで、一生かけて。


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