合鍵 Another end
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藍子を言い負かしてやった。
ああは言ったが、本当を言えば、元也が逃げ出すような事は無かったとサキには分かっていた。
元也が、あんな状態の藍子を放って、どこかに行くはずはない。

分かっていても、藍子を罵る事は止めれなかった。
うずくまり、泣いている藍子を見るのは、胸をすく、どす黒い勝利感があった。

そのまま、サキが藍子を見下ろし続けていると、
「…サキ、さん。そんなきつい事、言わないで下さい」
耳元で、元也の声。

ソファーで寝ていた筈の元也が、何時の間に来たのか、サキの後ろに立っていた。
驚いている内に、サキのスカートのポケットに手を入れられた。
しばらく、ポケット越しに弄られるサキ。
声が漏れる。もう少しでいけそうだった。

快感に身をゆだねていると、ガチャリ、と金属音。
手錠を絞めた音だ。元也に手錠をかけられた。

サキに手錠をかけると、元也はサキのポケットから手を抜いた。
その手には、いくつもの鍵が握られていた。

サキから鍵を取ると、元也はサキを強引にベットに押し倒した。
そして、自分が縛られていた縄を使い、サキをベットに括りつけた。

あら、これじゃさっきまでとは逆じゃない。いやん。いじめないでえ。
元也に荒っぽいやり方で襲われる事を想像し、サキはときめいた。

それなのに、元也はサキから離れ、首輪を付けられている藍子の方へと向かった。

サキ「も、元也君ッ!!何するつもりよ!!」
元也「何って、決まってるでしょ。
   藍子の首輪、取ってやるんですよ」
手にした多くの鍵の中から、どれが首輪の鍵か探しながら、元也は返事をした。

藍子「ああ、あああああ、もとくん、もとくん、もとくん、もとくん。
   ……ううう、ああ、もとくん、もとくん」
元也が助けてくれる。
そのことに感激し、藍子は顔をクシャクシャにして泣き喜ぶ。
サキの声をあげている事は分かったが、どうでもいい事だった。
もとくんが、私を助けてくれる。私を選んでくれたんだ。わたしを。

首輪が外れると、藍子は元也に抱きついた。
元也に抱かれていると、さっきまでの怒りや悲しみが嘘のように解けていく。
もうずっと、こうして抱かれていたい。
嗚咽をこぼしながら、元也にしがみ付いていた。
心が落ち着いてきた―――――――

そう思いはじめたら、急にベットに押し倒された。
藍子「え、あっ、キャ!!」
サキ「ちょ、ちょ、まって」

藍子も腕をベットに縛られた。

体勢として、サキは仰向けで固定され、藍子はサキにかぶさる様な形でうつ伏せで固定された。

まだ状況が飲み込めていないサキだったが、目の前の藍子が急に顔を赤らめ、目を潤ませた。
なにかを我慢するような表情だった。

あんなに憎んでいた藍子が、可愛く見えた。

藍子にサキが見とれていると、藍子が嬌声を上げ、その体が動き始めた。
元也が藍子にしはじめたからだと、数秒経ってから気が付いた。

サキの胸に怒りが燃え上がった。

手は縛られているが、口は自由だ。
噛殺してやる。

頭を起こし、藍子の首筋に近づける。
―――――が、藍子が動きまくるせいで狙いが外れた。

藍子「ふあっっんん!!!」
サキの唇が藍子の胸にあたり、藍子が予想外の悲鳴をあげた。
その悲鳴を聞いても嫉妬心が晴れる事は無かったが――――
しかし、なぜだか、サキの胸に快感が走った。

サキの心の嫉妬心が、加虐心と融合した。
いいわ。責めまくってあげる。

今度は意図的に、舌を使って胸を責めた。首筋も舐めた。口に含み、転がした。
自分の豊かな胸と違い、藍子のはぺったんこだ。
けど、白くてピンクで綺麗だった。
こんな、子供みたいな体で、よくもまああんな事出来たものねえ。
なんだか腹が立ってきて、かなりきつく責めてやった。

後ろから元也に責められて一杯一杯だったところに来て、今度はサキにまで下から
責められ、藍子はあっという間に達した。

しかし、元也とサキは責めるのを止めない。
特にサキの嬲りは恨みを晴らすかのように執拗だった。

最初に達してからも一時間以上責められ、藍子がぐったりしたところで、元也はその
標的をサキへと変更した。

体力も尽き果て、頭もはっきりとしない藍子は、サキが目の前、いや目の下でサキが
元也に襲われているのを見ていた。

藍子の視線は、サキの胸を捕らえていた。元也がサキを動かす度に、サキの胸は形を変える。

自分のより、ずっと大きい。大きいのに、きれいで、すらりとしている。
……………これで、これで、もとくんを、ゆうわくしたのね……

ゴツリ、と怒りが湧いてきた。
が、それを察したかのように元也が後ろから手で藍子のをいじってきた。
サキへの怒りの思考が中断された。

自分が嫌な気分になったのを、もとくんはすぐに感じてくれた…!!
その喜びを、指でいじられながら、藍子は感じ続けた。

サキへの殺気じみた嫉妬心が少しだけ薄れていった。

そうなると、今度は自分の下で喘いでいるサキさんを、いじめたくなった。
いつも余裕ぶってるサキさんが、こんなに乱れているを見るのはいい気味だった。
もっと、取り乱せばいいんだ。

藍子は、気に入らなかったサキの胸を、口でいぢめはじめた。
途端にサキは悲鳴をあげた。
それを聞くと、藍子の体に快感が走った。

元也がサキから離れた後も、藍子はサキの胸を責め続けた。
藍子がサキの胸から口を離した頃にはもう、サキは失神していた。

事が終わり、三人は泥のように眠った。

翌朝。
藍子とサキは同時に目が覚めた。
二人は起き上がり、睨みあった。しかし。

昨日、二人ともがお互いにあられもない姿を見せてしまった。
何となくばつが悪くなり、どちらからと言う事も無く、目を逸らした。
二人とも顔が赤い。

そうしている内に元也が目を覚ました。
二人におはようと言うと、部屋から出て行った。慌てて藍子とサキは後を追った。

パンとコーヒーを三人前、元也が用意した。テーブルに着き、三人で食事をした。

食べ終わると、元也が二人に家に帰るように言った。
藍子とサキ、二人ともが嫌だと言った。
だが、元也は聞く耳をもたず、有無を言わせなかった。
何となく、迫力に負け、二人は帰る準備をはじめた。

その日から、元也たちは学校に行く事を再開した。
そして、学校から帰ると、藍子とサキは争うように元也の家へと走った。

三人が元也の家に揃うと、元也はまた藍子とサキを縛り上げ、責める。

藍子とサキ、お互いへの嫉妬心が消えたわけでは無かった。
だが、それを解消させる方法が、相手を夜、責めまくる事へと変化した。
相手が泣いて懇願しても、止めてやらない。気絶しても、失神しても、責め続ける。
呼吸困難になるほど責める事が、怒りを納める手段になった。

相手の弱いところを見つければ、とことん責める。
そんな日が、続いた。

ある日、元也が藍子から先に始めようとすると、サキが
「ちょっと待って、昨日も藍子ちゃんからだったでしょう。
 今日は、私からお願い」
その日から、初めにされるのは、交代で、と言うことになった。

またある日、サキが、元也とは学校にいる間はしない、と言う二人の間で交わした約束を
破ると、藍子はサキを罰として、その日の夜中責め続けた。
翌日、サキは疲労と全身筋肉痛、足腰が立たず、学校を休んだ。
後から元也が聞けば、十分に一回ぐらいのペースでいかされ、それが夜中続いたのだと言う。

逆に、藍子が順番を破り、サキが来る前に元也と始めていた現場を押さえると、
ロータを入れたまの藍子に貞操帯をつけて帰っていた。
藍子はそのまま、2日間過ごすはめになった。当然、学校にもそれでいった。

そんな日々が続いている中、元也が風邪を引いてしまった。
二人は甲斐甲斐しく看病をしてくれた。

藍子「じゃあ、私達は居間で寝てるから、何かあったらすぐ呼んでね」
元也におかゆを食べさせたあと、二人は元也の部屋から出て行った。

汗をかいたおかげで、ひどく喉が渇いた。
二人を呼ぼうかと思ったが、時計を見ると夜の一時。
もう寝てしまっただろう。
仕方なく、キッチンまで行こうと、ふらつく足取りで階段を降りた。

一階に着き、キッチンに行こうとすると、居間から二人の声が聞こえた。
雰囲気からして、ただ喋っているわけでは無さそうだ。

こっそり覗いて、元也はびっくりした。
二人で、絡み合っていた。

そう言えば、二人はお互い、執拗なまでに責め、責められていたのだ。
元也がいないからと言って、しなかったのでは、体が疼いてしまうのだろう。

二人の行為を見ると、元也はこっそりとドアを閉め、自分の部屋へと戻っていった。
早く風邪を治して、あの二人に混ぜて貰わなくては。

次の日には、風邪は全快していた。
さっそく、と言わんばかりの勢いで元也は二人に押し倒された。

藍子を責めている最中に、藍子が
「ああ、やっぱり、もとくんが、もとくんがいないと、ぜんぜん、ぜんぜん、ちがうよおっ!!」
と叫んだ。サキが慌てて藍子の口をふさぐ。

元也が意地悪く、俺が寝てる間、二人でこっそり、何してたんだよ、と言うと、サキが
「あ、藍子ちゃんが、体が疼いて寝れないって言うから、仕方なく、私は付き合ってあげた
 だけよッ!!」
すると藍子が
「な、何言ってるのよ!!!
 最初にに誘ってきたのはサキさんじゃないの!!
 そのいやらしい胸が火照っておかしくなりそうって言うから、私が仕方なく!!」
「嘘言わないで!いやらしいのはそっちじゃないの!!」
「いいえ!!そっちでしょ!!」

二人がどっちが誘ったのか言い争っているのを聞きながら、元也が
「…おれは、ちょっと位、エッチな女の子が好きだけどなあ」
と呟くと、藍子とサキは同時に、
「「私から誘ったの!!」」
と叫んだ。

そのそろいっぷりがおかしく、元也は笑い出した。
藍子とサキは、何で元也が笑い出したのか分からず、顔を見合わせた。
だがその内、元也の笑いが感染したのか、二人とも笑い出した。

三人の笑い声が、部屋に、響いていた。


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