RedPepper 第1回
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幼馴染が恋をした。初恋だ。

幼馴染である佐藤花梨とは、家が隣同士で幼稚園の頃からの付き合いだ。
昔はいつも一緒にいた。登下校の時も、遊びに行く時も、おやつを食べる時も。
そんな関係は長く続いた。…でも、今は違う。

何があったというわけじゃない。何となく一緒にいるのが恥ずかしくなって、
それで少し距離を置いたら、どんどん広がっていってしまったのだ。
…今では顔さえあまり合わせなくなった。隣の家に住んでいて、通う学校も同じだというのに。
だから、何年か振りに家を訪ねてきた花梨から、初恋の話を聞いたのはショックではあった。

だが、俺はそれを素直に受け入れることができた。
たぶん、俺と花梨の関係は昔とは違うのだと、薄々分かっていたからだと思う。
俺と花梨は今、別々の道を歩いているのだと。…そして、それは悲しむようなことじゃない。

そう、俺が今すべきこと、それは花梨を応援してやること。
だから、俺は笑顔をつくって口を開く。

「応援するよ、花梨。告白、成功するといいな。


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