うじひめっ! Vol.12B(後)
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「ん……んんんんんんん!」
 猪突猛進。ひたすら押し付けるだけの、姉そっくりな拙い接吻。
 ごつっと歯が当たる。
 まったく、こんなところで似ているとは……本当に姉妹なんだな。
 ついつい微笑ましくなって、俺は彼女の唇をこじ開ける。
 童貞は今朝卒業したばかりの俺だが――キスならそこらの中坊には負けんど!
「むふうっ!?」
 開いた口から舌に乗せた唾液を流し込んでやると、てきめんにパニックを起こした。
 目を白黒させ、反射的に突き飛ばそうと腕を伸ばし。
「………ッ」
 何かに堪えるような色を瞳に浮かべた後、ゆっくりと瞼を閉ざした。
 ――ぎゅっ
 突き飛ばしてくるはずだった手は、俺の二の腕を痛いほどしっかり掴んでくる。

 逃げない――!

 その気持ちが一途に伝わってきた。俺がどんなに口腔を舌先で蹂躙しても、抗わない。
 ただ唇と舌と唾がぐちょぐちょと混ざり合う粘膜的な世界に身を委ねている。
 ほう、見た目に違わず根性はあるようだな。
 一分、二分。
 ディープキスの時間はまたたく間に過ぎていった。
「あ――っ!」
 彼女の膝は、終わるのが待てなかったらしい。
 カクンと力が抜けて、俺の体に縋りつきながらずるずると垂れ下がっていく。
 くっくっくっ。中学生には少し刺激が強かったか――
 と、小学校に上がる前にディープの経験を済ませていた俺が嘯いてみる。
「ア……ハァ……すご……ハァ……」
 最終的に、腰にしがみ付くような姿勢で落ち着いた。
 なにげにマズい位置だった。俺の分身が赤射しかねない危険性を多大に孕んでいた。
「フッ。何を証明したかったのかよく分からんが、お子ちゃまはもう寝なさァい」
 屈んで彼女を立ち上がらせようとしたが。
 何を考えたのか、赤光敏感少女は俺の股間にぐっと頬を押し付けた。
 お……
 ふ、ふっくらとした感触が柔らかすぎて……俺の俺の欲望が、ががががが。
「――ハァ! ハハ! 和彦、あなたの急所がビクビクいってるわ! ハハ!
 あれだけ余裕ぶっておいて、自分だってギリギリなんじゃないの! ふ、ふん!
 わたしがき、生娘だからって、偉そうにしないでよ!」
 まさかの反撃。むろん、性的な意味でのだ。
 ――生意気でSっ気のある女の子がエロ方面のタガを外すと、底なしに恐ろしい事態を招く!
 これは幼馴染みである遥香を観察したうえで導いた、俺の経験則だ!
「おとなしく往生なさい! ハハ! 姉様が穢されるまでもなく、わたしがあなたを
 仕留めてあげるわ!」
 得意げに、しかし何かが狂った表情で笑う。マンガで言うと、そう、ぐるぐる目をした状態。
「ま、待て! この文脈で逆レイプかよ!? 冗談じゃねえ!」
 慌てて引き剥がそうとするがトゥーシーは俺の尻にがっしり手を回し、身動きを取れなくした。
「くすっ――」
 真っ赤な唇を、同じくらいに鮮やかな舌でぺろりと舐めてから。
 ちぃぃ……とファスナーを歯で咥えて引き下ろす!
「んー、むにゅ……」
 もぞもぞとトランクスの隙間に口を突っ込んだ!
「むにょ」
 イントゥ・ザ・ファッキンガム宮殿!
 半勃ちになっている我が愚息の皮を唇で摘んで、この光溢れる世界に引きずり出してきた。
「アッハハ! 観念なさい! わたしが! あなたを! 姉様相手に何もできなくなるほど
 コテンパンしてあげ――」

「――誰が、誰相手に、何をできなくするほどのことをするって?」

 そのとき。部屋の入り口に、静かな声で問う人物がいて。
 振り向くと、鬼のような微笑みを張り付かせて仁王立ちしていらっしゃいましたよ?

 かくして。
 それはそれはもうすっげーことになりました。
 ギャフン。

 

 具体的にどうすっげーかと言うと。
「やだ! 姉様がするんだったらわたしもする! 仲間外れなんてイヤ! イヤよ!
 拗ねてやるんだから!」
 と頑なに駄々をこねて無茶なことを請願する子、つまり頑駄無な子に手を焼いて。
「――分かった」とアイヴァンホーが折れてしまったことであって。

 要するに。
 俺は、「令嬢姉妹の処女膜を交互にブチ抜いてそれぞれの子宮にたっぷり中出しする」という
 ダブル中出しシチュエーション――コード名「中原中也」をあくまで現実のものとして
 叶えるハメになったんだからさあ大変ってものですよ大哥!

「や、優しくしてくれなくてもいい……ひと思いにやってくれ! ぐっ……!」
「ああ! 姉様の、まだ穢れを知らない秘所に! 和彦の生殖器が荒々しく捻じ込まれて行くわ!」
「お、大きな声で実況しないでちょうだい、トゥーシー! 近所に聞こえたらどうし……あうう!」
「姉様! なんて痛々しいお顔……! 無理もないわ! こんなもの、本来挿れるべきもの
 じゃないわよ!」
「そ、そうでもない……少し、慣れてきた。和彦、動いてくれて構わないぞ」
「まあ! 姉様ったら強がって! こんなに激しく出たり入ったりしてるのだから
 ツラいのは当然よ!」
「あなたは黙りなさい……! ほら和彦。いいから、遠慮しないで好きなだけ突くがよい」
「犯されながらも毅然とした表情を見せる姉様……! かっこいいわ! 下はシーツが
 すごいことになってるけど!」
「だから実況はやめなさいってば! あ、あなたはおとなしく部屋の隅で自慰でもしてなさい!」
「んまあ! 信じられない! 姉様がそんなことを口にするなんて……和彦、こんな姉様は
 もっと犯っておしまいなさい!」
「いつの間にあなたが命令する立場に!? あ!? か、和彦まで悪ノリして……や、やめて!?」
「! すごい! すごいわ! こんな格好でするだなんて……まさに肉体の神秘! 拷問的性交!」
「あああああっ! 痛い痛い痛いっ! さすがにこれは無茶だっ、やめてくれっ、元に戻せっ!!」
「ハハ! アハハハハハハ! アッハハハハハハハハハッハハハハハハハハハハハハ!」
「トゥーシーが壊れた!? し、しっかりなさい! こっぴどく責め苛まれてるのは
 わたしの方でしょうに!」
「なんだか! 姉様が卑らしく惨めに嬲られているサマを見て! わたし、とっても楽しく
 なってまいりました!」
「目がぐるぐる渦巻きになってるー!? まずいぞ、和彦、このまま放置するのは大変だっ!」
「さあ和彦! もっとハードに! もっとコアに! もっとセンスオブワンダーに姉様を……
 ってあれ!?」
「ふう、トゥーシー。お姉ちゃんは無事に純潔を捧げ終わったから、今度はあなたの番ね」
「そ、そんな! 姉様が! 妹であるわたしを押さえつけて!
 処女を奪わせる手助けをするなんて!」
「……ショック?」
「いえ! 最っ高に燃えるお膳立てですわ! わたし! こういう状況って大好き!」
「まあ……こんな変な子だが。成り行きでもらってやってくれ」
「う……あああ! 姉様を突き刺して破瓜の血を浴びた朱槍が! 温かい感触もそのままに
 わたしの中へぇ!」
「和彦の熱とわたしの蜜を同時に感じるが良い、トゥーシー……」
「痛い! 痛い! 痛い! ところで和彦! 姉様とわたし、どちらが気持ちいい!? わたし!?
 わたしの方!?」
「――ふふ、分かるだろうが……答え次第で命がなくなるものと思えよ?」
「痛っ! 痛っ! 本当に痛っ! あと、答えは言葉にしなくてもよろしいわ! 『わたし』なら!
 そのまま射精して!」
「なっ!? 和彦、もう限界が来てるのか!? ちょっ、ちょっと早すぎないかそれは!?」
「ハハ! きっと! わたしの体がフィットしすぎて!
 姉様よりも全然早く達しそうなのよ!ハハ!」
「う、うるさいっ! もういいから抜くんだ! 順番から言ってわたしの方に射精するのが
 先だろう!」
「ハハハハハハ! させない! このまま! 咥え込んで! わたしが!
 和彦の欲望を搾り取るわっ!」

 マジで大変だった……揃って初体験だというのに、メチャクチャ騒がしい姉妹で……。
 翌日、隣家から苦情が来た。
「まったく! もっと静かにヤりたまえよ! 『風雲黙示録』のオープニングか君らは!」
 もちろん俺は平謝りする他になかった。

 そんなこんなで、俺は半人半蛆の姉妹と淫猥な肉欲の日々に溺れた。
「ん……むちゅ……れろ……ふ……うん……」
 姉のアイヴァンホーは銀色のボブカットが涼しげな十九歳。遥香の保有するキス魔菌に
 感染したのか唇にご執心。
 鼻ブレスができないせいもあって息継ぎをしながらのベーゼだが、ノーズレスの特徴を活かし、
 本来なら鼻が邪魔になってできないような唇技や舌技を繰り出すことができるようになった。

 キス道は奥が深い。

 ターコイズブルーの淡い碧と見詰め合いながら唇をちゅぱちゅぱさせ、空いた片手で
 乳をぐねぐね揉んだ。
 彼女の胸は予想を凌駕する大きさで、しかも非常に柔らかく不定形。プリンを超越せし軟体乳だった。
 指が沈み込む感触が心地良く、ときにムスコを挟んで擦ってもらうこともあったが、今はやらない。
 なぜなら。
「ん……ちゅ、ちゅぱ……ふ……ん……ちゅるる……じゅぶっ!
 ぷはっ……はぁ……れろ……ん……ちゅ、ちゅ……ちゅぷんっ!
 ぷちゃ……ぴちゃ……ぢゅるるるる……もご……れろ……っあはぁ……!」
 トゥーシーが俺の股間に顔を埋めてメッチャ凄い勢いでち○こしゃぶってるところだから。
 ――妹のトゥーシー(又左衛門尉利家)は紅に染まった縦ロールが目にも鮮やかな十四歳。
 初日にやり損ねたフェラチオを日を改めて実践してみたところ筋が良く、
 頭を撫で撫でしながら誉めてみたら俄然やる気を出してハマってしまった。
 彼女も鼻がないから息を継ぎつつの口淫である。
 さっきからずっと屹立した陰茎が真紅の唇に出たり入ったり忙しなくしております。
 竿そのもののみならず、袋や陰毛のあたりまで唾液でびしょびしょ。
 要領を覚えた彼女はしきりに変化を加えて吸ったり舐めたり咥えたりストロークかけたり
 巧妙に制御して口蓋全体で嬲ったり口から離してアウトサイドでちょんちょんと
 舌先つつきを仕掛けたり裏筋を辿ったりカリ首を擦ったり袋に達して夏の暑さで弛んだそれを
 叱咤すべく再び吸ったり舐めたり口に含んで転がし袋越しにちょっと睾丸を引っ張ってみたりと
 やりたい放題ですよ奥さん。うっ。
 油断するとイキそうになる。随分長い時間こうしているせいもあるが、確実に技術力が上がっている。
「うああ……気持ちいいなあ……」
 呻いた俺の心情を察してか、縦ロール赤毛の総本山である頭部がまたえらく発奮して激しく上下。
 水音が淫々と響き、長く続いたエロスのショウタイムにフィナーレをもたらすべく
 ラストスパートをかける。
 中学生の分際で覚えやがった、実にけしからんフェラチオ――ペニスが喉へ深く深く
 呑み込まれていく。
 さすが“ドリル”と畏怖されるほどのリセエンヌ、抉るようなディープスロートをかましてくれるぜ。
 お前はもう「エースストライカー」より「チ○コストライカー」に改名した方がいいと思う。
 にしても真っ赤な唇がイヤらしいなぁ。それこそ血を吸った蛭のよう。伏せ目の色っぽい視線を
 舌と一緒に亀頭へ這わせ、俺の赤黒い亀頭を唇・舌・瞳の三点からなる深紅に染め上げる。
 伸ばした舌先で鈴口のあたりをほじくられる刺激は何とも言い難く、魂をけらくへ誘っていく。
 こりゃあほんにたまらんねぇ。ええばい、ええばい。とオヤジ臭い感慨に耽ることしきり。
 陽根にまぶされた唾液が長い睫毛へ付け返されて雫をつくるのも構わず、緋の少女はなおも没頭。
「おおおおおう……あうあー……」
 来る日も来る日もヤリまくったせいか、ここのところ、とみに思考力が鈍ってきた気がする。
 開頭手術したら腐って蛆の湧いた脳みそが見つかるんじゃないだろうか。まさにブレインデッド。
 でもま、いっか、という気持ちが大。「パンツ履く暇もない」を地で行く生活は
 脳みそを捨てる価値ありだ。
 年上と年下、美人姉妹の両方が揃ってる――特に妹の締まりがイイ――状況で
 いったい何を恐れる必要があるものか。
「ハッハー、今の俺に怖いもんなんかねー、矢でも鉄砲でも芝刈り機でも持ってこいってんだオラー」
 気を大きくして挑発した、ちょうどそのとき。
 ギィィィ――って不吉な軋みを上げて開いた扉の向こうから。

「こ、こんの……泥棒蛆どもがあああ……!」

 首をギプス固定した遥香が、出刃包丁を腰溜めにして突っ込んできた!

 いったん頚椎を外したうえでハメ直された彼女は奇跡的に一命を取り止めたが、全治三ヶ月。
 執念もあって三日で退院してきたが、「幼馴染みを蛆虫たちに寝取られた」ことが
 そんなにショックだったのか、目をギラつかけてアイヴァンホーたちの命を狙う
 ヤバキモいストーカーと化していた。
 現に今も、腰を落とした伝統的なヒットマンスタイルで鉄砲玉チックに迫ってくる。
「んー……ちゅぱっ! まったく! しつこいわね!」
 あとちょっとでイカせるところまで進めていたトゥーシーは不承不承ち○こから口を離し、
 危機に対処すべく構えた。
 自ら体当たりを仕掛けるように間合いに入り込み、遥香の手首を捩じりつつ「せや!」と
 背中を支点にして投げ飛ばす。
「ホアアァッ」
 怪鳥音を発した遥香は包丁を落としながら受身を取り、ブレイクダンスでも踊るみたいに
 キュキュキュッと激回転して離れ、充分な間合いを確保。撃退されるのに慣れたせいか、
 格闘センスがだんだん少年マンガ並みになってきている。
「そうそう何度も不覚を取るものかようっ! 今日こさぁ覚悟しろ……蛆虫の姉妹丼がっ!」
「ほんっと懲りない方!」
 肩を竦める。全裸で。呆れた素振りをしながらも、遥香が俺を襲ってこれない位置取りを
 心がけてさりげなく動いた。
 姉妹の命を狙うのみならず、「かずくん殺してあたしも死ぬうー!」と喚き散らす彼女は
 俺にとっても脅威である。
 身辺に侍ったトゥーシーとアイヴァンホーは俺を凶刃から守る、
 SPみたいな役割も果たしてくれていたのだった。
「代わろう」
 とアイヴァンホーがベッドから立つ。淡緑の瞳で、冷ややかにハの字眉少女を見下ろして。
「――いい加減に分をわきまえるよう、本日は徹底的に教育せねばならん」
「あ゛あ゛!? “いい気”になってんじゃねーゾ“蛆虫”がァッ!?」
 びきびきぃとこめかみに青筋を立てた遥香がドアの向こうに置き捨てていたスポーツバッグを
 ごそごそ漁った。
 すると。
「さっきね、うちに親切なお姉さんが来て教えてくれたの……」
 口調がなぜか穏やかになっている。元からこいつの情緒は不安定だったが、
 最近ますます磨きが掛かった気がする。
「『この世のすべては幻影(マーヤー)です。ゆえに、あなたにとって都合の悪い幻影は……
 遠慮なんか要らねえ!こいつで! みんな! 魂魄の塵一つも残さず! 粉々に打ち砕くべし!
 さすれば明日からギガハッピーに!』って!」
 叫んで取り出だしたるは――壺。
 どっからどうみても、壺。
 美術的な価値なんて欠片もなさそうな、壺。
「って、いまどき壺なんか買わされてんじゃねえええ! お前がストーカーになったよりも
 そっちがショックだっ!」
「ただの壺じゃないわよ! お姉さん曰く絶対に壊れない壺! 強度はタングステン鋼の
 一千倍は超えるそうよ!」
「どうやって計測したんだよ胡散臭え! んな数字出されて信じる前にお姉さんの頭で直接割って
 確かめろよ!」
「実は既に確認済み! お姉さんの頭は割れたけど、壺にはヒビ一つ入らなかったから
 間違いなくトゥルース!」
「うおっこの女アブソリュートに厄い! アイヴァンホー、
 さっさと追い返して出頭させてやってくれ!」
「御意」
 さて――
 この後数百行に渡って遥香の壺やアイたんの格闘術に関する薀蓄を交えたネオ伝奇アクションが
 あるけど割愛。
「姉様と傘眉毛の一騎打ち! 特等席で拝ませてもらおっと!」
 フェラチオの余韻でびしょびしょに濡れ、今はちょっと半勃起モードに移行したペニスを
 掴むトゥーシー。
 手淫で刺激を与えてシャッキリさせてから、背面座位で挿入した。
「ほーら眉毛女! わたしの花弁が! あなたの大好きな和彦をずぶずぶ呑み込んでいくわよー!」
「あっ、テメっ、コラっ、人が生きるか死ぬかの瀬戸際で真剣バトってるときに暢気に
 セックスしてんじゃねー!?」
「ハハ! 悔しい? ねえ悔しい? ハハ! いいザマよ!」
 笑いながら尻を動かし、リズミカルにこね回す。白く引き締まった尻が跳ねる。
 十四歳の実年齢に相応しい瑞々しさが、見た目と感触の両方にあった。
 もともと達する寸前だったこともあり、堪え切れない。
「うーぷす」

 呻きとともに、吐精していた。体をさわさわと撫で回す赤髪の艶に陶然とした。
「ハァ――! ハハ! 出てる! 和彦の熱い精液が! わたしの中にいっぱい!」
「へ、下手すると最愛の従妹が死にかねない状況でばっちり興奮して中出しだぁ!?
 マジかよかずくんどこまで外道!?」
「アッハハッ! どんなに叫んでもね! 和彦はわたしのモノ! あなたには髪の毛一本、
 唾一粒だって譲らないわ!」
「こ、こんの糞蛆小娘め……!」
「さあ! 姉様頑張ってー!」
「……あのね、トゥーシー」
「はい?」
「お姉ちゃんが結構真面目に戦ってるときにひとりだけ楽して和彦とまぐわって中に注がれて、
 尿道に残った精液をのんびりと搾り取るような腰使いしながら声援を送られても、その、なに。
 嬉しくないって言うか……キレるわよ?」
「えっ!? ちょっと!? なんでこっちに来るの姉様!?」
 いつの間にか争うことをやめていたアイヴァンホーと遥香は、ずかずか横並びになって近づいてくる。
「なんならこの壺を貸してあげてもエエよ」
「うむ、ありがたい」
 とさっきまで相手に使っていた凶器を気軽に受け渡した遥香が。
「きゃあ!?」
 咄嗟に逃げようとして腰を上げかけたトゥーシーの肩を掴んでぐっと押し下げる。
 もちろん、その下にいる俺は身動きが取れない。ただ少女の膣内を、ビクビクしながらも味わうのみ。
「ほらほらー、遠慮しなくていいってば。好きなだけ和彦のち○こ堪能なさいな、ん?」
「や! は、離してよ!」
「――ここのところね、お姉ちゃん思ってたの。トゥーシー、あなた調子に乗ってない?」
「姉様、何をおっしゃってるの!? 早く助けてよ!」
「確かにあなたは若いから肌の張りもいいし、アソコの締まりもお姉ちゃんよりイイみたいだけど。
 だからって、『自分が和彦の本妻、姉は妾』みたいな態度を露骨に示すのはどうかなー、
 って思わないかしら? 思うよね?」
「そ、そんなこと思ってな――!」
「嘘つけッ! さっき『和彦はわたしのモノ』とほざいたでしょうがッ!
 『わたしたち』ではなくッ!」
 仮面の向こうで淡碧瞳が獰猛に凍りついた。槍と化した視線の矛先をトゥーシーの背後、俺へ伸ばす。
「和彦も和彦だッ! 元はと言えばッ! あなたがプロポーズするからここへ
 嫁いだというのに……ッ!ついでに付いてきた妹の方ばっかりにかまけてッ、
 わたしはオマケ扱いじゃないかッ! こんなひどい話はないッ!」
 ひいっ。いつもは凛と冴え渡った表情のアイヴァンホーもこのときばかりは般若の形相を示した。
 少しチビる。
「ちょっと和彦! わたしの中で失禁しないでよ!」
「フッフー、映りの悪いテレビと一緒さー。不出来な妹もたまには叩いて躾け直さないとねー」
 負けず劣らずの般若面を顔に召喚した遥香がせせら笑う。
「同意だ。よし、遥香殿ご自慢のこの壺――どれほど硬いか、ひとつ愚妹のドタマで
 確かめてくれよう」
「やめて! やめてよ姉様! 姉様!」
「ふふっ――やめません☆」
「うあ……ううう……ねぇさまぁ……! ち、チヨにそ、そんなことしないでぇぇ……!」
「あーらら。舌っ足らずに泣き出しちゃった。幼児退行でも起こしたのかしらー?」
「一人称が『チヨ』とは、だいたい七歳ぐらいだな。あの頃は可愛かったものだ」
「今は違うの?」
「いやいや、今でも可愛い子ではあるよ。だからこそ、愛を篭めてお仕置きをせねばな……」

 ゆら〜り、と頭の上に壺を持ち上げていくアイヴァンホー。
「あ……あ……!」
 トゥーシーの膣は怯えて小刻みに締め付ける。
 しかし――七歳まで幼児退行してる子とハメてるのって、精神的にイケナイ感じがして
 ドキドキするな。
 なんてことを絶体絶命の状況で考えている俺は、もういろいろとダメっぽかった。
「噂に聞いたけど、気絶するときの締め付けってすごいらしいねー。和彦も楽しみにしてみたら?」
「ああ、そうだ。せっかくだからトゥーシーが気絶した後は遥香殿も和彦を
 ファックしてみてはいかがか?」
「えっ、いいのん!?」
「ああ……トゥーシー、あなたはしばらく反省なさい? その間、わたしと遥香殿で
 たっぷり和彦を持て成しておくから」
 妖しい陰影が頬のあたりをサッとよぎった直後。
 遂に、彼女は両手に持った壺を振り下ろした。

 ガツンッ

「あっははは! 今、白目ぐるんって! ぐるんて! ぷっ、ははは!
 みっともないったらありゃしねー」
「うむ。我が妹ながらケッサクだ」
「ぶひゃひゃひゃ! ひーひー。ふう、何はともあれ、これでやっとあたしも
 かずくんと結ばれ……え?」

 ガツンッ

「――なーんてね☆ そんなわけがあるまいよ、痴れ者が!
 フッ、何を期待して喜んでおるのだ――この売女め」
「ぐっ……! 友好的な空気をつくって期待させてから裏切るとは……この女、ムカつく……
 予想を超えて遥かに!」
 ドサッ
「これで親の総取り、っと。ふふふ。さあ和彦、あなたも少し眠るがいい。目が覚めたころは――」
 壺を抱え上げたアイヴァンホー。蛍光灯の明かりが逆光となる。彼女がどんな目をしているのか、
 よく分からない。
「――本当の新婚生活の、始まりだぞ」

 ガツンッ


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