姉妹日記 『もう一つの姉妹の形』 第10話C
[bottom]

「それでは、お家からお洋服取って来ますね♪」
 私はそう言って足取り軽く涼さんのお家を出た
 あぁ、清々しい・・・・こんなにも爽快感が溢れたのは初めてだ
 今までうじうじしていた私がバカみたい、はやく自分の気持ちに素直になっていればよかった
 そうすれば、あんなブタ女どもなんかに涼さんの操を奪われたりしなかったのに
 そうだ、私は二度もその現場を見ている
 けど次の日にはもう頭の外に出ていた、どうやったら涼さんが振り向いてくれるか
 そのことだけが頭を覆い尽くしていた、そして私の悲願は成就した
 今出来うる限りの最高の形で私は自分の純潔を彼に捧げることが出来た
 これで涼さんだけは信じてくれる、私の噂はただの噂でしかない
 本当の私はそんな女ではないとわかってもらえたはず
 これで身実共に私と彼は一心同体で人生共同体となった
 共に生き共に死ぬ――――
 ああ、幸せ――――
 いけない、いけない・・・・これからは涼さんに女を近づけないようにしないと
 涼さんは優しいから、些細な心遣いが出来て、いつも天使のような笑顔で接している
 どんなにブサイクな女でもそれは変わらない
 本人は気づいていないようだけど、学校では女子人気をある人と二担するほどなのだ
 もう一人の人は、正直な話容姿が良いだけ・・・・それだけ
 涼さんとは大違いもいいところだ、涼さんは容姿は女の子みたいで可愛らしく、
 性格まで申し分ない
 容姿だけのもう一人の・・・・なんて名前だっけ?
 確か先週だったかな?私に告白してきたけど、すぐに蹴ってやった
 私は涼さん専用だもの、当然よね――――
 あ、でもそのことを話して涼さんの嫉妬心を煽って、夜は激しく――――
 想像しただけで涎が垂れてきた
 涼さん、ああ見えて嫉妬深いのよね〜
 まぁ、私を愛してくれてる証拠だけどね・・・・ふふ

 昨日の電話、様子が可笑しい、私はそう思ってお姉ちゃんに昨日の電話の件を話してみた
「うぅ〜ん、心配ね〜」
 ダメだ、こりゃ・・・・
 ここは私がしっかりしないと・・・・
「うんしょっと」
 がさごそと音を立ててお姉ちゃんがカバンを弄っている
「な、なにしてるの?」
「決まってるでしょ?帰るのよ・・・・・お家に、涼ちゃんに悪い虫でも付いてたら困るでしょ?」
「でもでも!お給料は?私たちそのために」
「先ほどおばさんがね、可愛い二人が仲居さんしてくれたおかげで話題になって売り上げが
 二倍だったて、喜んでたわ」
 そう言ってお姉ちゃんは封筒を私に手渡し、またカバンの中に物を入れ始めた
 私は手に収まる封筒を見て、驚きで目を見開いた
 思ってた金額の数倍は入っている、これで・・・・
 お兄ちゃんの負担も少し楽にしてあげられる
「さ、帰りましょう」
 しっかりと私の分の支度を済ませて、お姉ちゃんは私に荷物を渡した
「う、うん!」

「うぐ!うぐ!うぐ!!!」
 ダメだ、動けない・・・・口を縄で塞がれ助けも呼べず
 身体を腕輪に繋がれた鎖で拘束され、脱出も不可能
 そして僕の股間には油性マジックで「秋乃専用」と書かれている
 首元がヒリヒリと痛む、彼女が付けた無数のキスマークのせいだ
 腕輪も秋乃さんの持っている鍵がないと外れないようになっている
 どうしてら良いんだよ、もう――――
 いったい何が彼女をそこまで駆り立てるのか僕には解らなかった
 いくら僕が酷い拒絶の仕方をしたからって、あれではまるでストーカーだ
 ――――いや、彼女はもうストーカーだ
「うぐ!くぅぅぅ!!!」
 必死でもがいて逃げようとする、腕輪が食い込み血がにじんだ
 ダメだ、それにこれ以上したら逃げようとしたのがバレてしまう
 その時の彼女の血走った目と嫉妬に狂う顔が容易に想像できて僕は身体を恐怖で震わせた
 突然扉が開く音がした、彼女が帰ってきたんだ、僕は再び訪れる恐怖の時間を思い絶望した
「ただい・・・・・ま、おに――――」
「あら、涼ちゃんったら、そういう人だったの?言ってくれればお姉ちゃん女王様に
 なってあげたのに」
「って!一人でうなことするわけないでしょ!それよりはやく助けてあげようよ!」
 天使が舞い降りた、二人の純白の天使が僕を地獄の底から引き上げてくれた
             

              原案協力
             ID:KH6Ae6Nl様
             ID:KH6Ae6NlL1esCa31'>ID:L1esCa31様


[top] [Back][list][Next: 姉妹日記 『もう一つの姉妹の形』 第11話C]

姉妹日記 『もう一つの姉妹の形』 第10話C inserted by FC2 system