死の館 第10回
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――???
「いや……なに?なんなの?この日記……」
まただ。また邪魔な女が私とあなたの思い出を読んでいる。
あれは私たち二人で読んで昔を振り返るためなのに………
凶器と狂気を持って歩み寄る。怯えている背中に、ごく普通に。いつもの部活仲間として声を掛ける。
「あっ……ちゃん…よか――≒√!?ヽ_;…」
まただ。またあなた以外の声はノイズに変わる。
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい
うるさいうるさいうるさい!!!!!!!
「ωーー〜дд`†..%#」
「!」
途中であなたの名前が聞き取れる。許せない。本来その名前を呼んでいいのは私だけなのに。
あなたのようなゴミが発声してはイケナイ………
私に抱き付いたこの女にみえないよう、ナイフを振りかざし……刺す!
ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!ザクッ!……
あはは……また刺すところが無くなっちゃった…体に穴開いちゃったからなぁ。
死体の始末をしようとしたその時……
「……ちゃん…なん、で?」
また私の名前が呼ばれる。その方へ振り向く。

「それって……明…ちゃん…あなたが、殺、した?」
不覚にも発見され、私の頭は混乱している。向こうも混乱している。落ち着け、落ち着け。
それによく見ろ。あの女は私のあつくんにいっつもくっついてる、真っ先に殺したかった奴じゃない。
これはチャンスよ。
「う、そ…あなたが……なんで?どう、やって……犯人なんかに…イヤァ!」
まだ動揺し、目を白黒させている目標に、ナイフで襲いかかる。だが素早く反転し、逃げ始める。
「アハハハハははははは!逃がさない!殺してやる!!!私のあつくんにべたべたさわって……
まるで自分の物みたいにいっちゃって……でもいいわ。ここで思い知らしてやるわ!
あつくんは私の物!あんたみたいな泥棒猫に渡すもんですか!」
「〇->島刀aar//!!」
またわけの分からないノイズをまき散らし、逃げている。アハハハハ……あつくんの為に殺せるだなんて
楽しい……
でも殺すだけじゃ物足りない。ナイフを投げ捨て、ポケットからペンチを取り出す。
これであの女の目をエグッテ殺る!もう二度とあつくんのかおをミレナイヨウニシテヤル!!!


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