姉妹日記 外伝2
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 真っ暗でとても静かな深夜・・・・
 私は物音を立てないように細心の注意をはらいながらある部屋に入った
 気づかれないようにドアを閉めて・・・・布団を少し持ち上げる・・・・
 私はベットの中に潜り込んで・・・・お兄ちゃんの温もりを独り占めにする
 ああ、至福の瞬間・・・・このままお兄ちゃんの中に溶けちゃいたい位だよ
 そのまま私はお兄ちゃんの身体を軽く愛撫する・・・・あれ?
 柔らかい・・・・胸?胸がある・・・・もしかして、お兄ちゃんはほんとは
 お姉ちゃんだったの!!!!!
 んなわけない・・・・私は一人でボケて一人でツッコムと私は布団を跳ね飛ばした
「むにゃ、むにゃ・・・・ダメよ・・・・涼ちゃん」
 が〜んお兄ちゃんはお姉ちゃんだった・・・・・
 あれ?合ってる・・・・んなことどうでも良いでしょうが!
「お姉ちゃんがなんでお兄ちゃんの部屋にいるのよ!」
 深夜の静かな時間を私の奇声のような声が壊した
「あら、冬香ちゃん・・・・」
「あら・・・・じゃないわよ!」
 二人であーだこーだ言っていると部屋の主のお兄ちゃんがようやく戻ってきた
「もう・・・・どこ行ってたのよ!」
 明らかに逆切れする私にお兄ちゃんはいつのもことかたばかりに肩をすくめるとゆっくりと
 私たちに近づいた
「なんで二人がここにいるんだ!」
 少し怒った風な口調でお兄ちゃんは私たちに説教を始めた
 もう・・・・またか、お姉ちゃんがいなければお兄ちゃんのお説教ではなく愛をもらえたのに
 また夜這い失敗か・・・・・

 起こさないようにお昼寝している涼ちゃんの寝顔を覗き込む
 可愛いな・・・・私は涼ちゃんにチュッとキスをすると寝息を立てる寝顔を見つめた
 あの時は幸せだった・・・・
 涼ちゃんが私だけの涼ちゃんだった
 可愛い可愛い・・・・私の涼ちゃん
 それがあの日崩壊した
『僕ね・・・・彼女が出来たんだ・・・・』
 やめて・・・・やめて!
 私の必死な叫びは虚無に消え涼ちゃんは照れながらこう言った
『昨日・・・・女の子に告白されて・・・・その子と付き合うこと・・・・』
 冬香の怒鳴り声だけがその後聞こえて私の頬を涙を伝った
 
 あれから私たちは二人で相談した
 どうすれば泥棒猫から涼ちゃんを取り戻すことが出来るか・・・・
 そして一番効果的で涼ちゃんにとって残酷な選択を選んだ
 心が病んだふりをして涼ちゃんを私たちだけしかしないようにした
 効果はてきめんだった・・・・・・涼ちゃんは学校を毎日休んで私たちの面倒を見てくれた
 ようやく取り戻した・・・・私と涼ちゃんだけの時間・・・・
 でも、そんな時間も終わりを告げた
「涼さ〜ん!秋乃です〜!」
 その声を聞くや否や涼ちゃんは私に向けていた視線を他に向けて駆け出した
 憎い・・・・憎い・・・・憎い・・・・
 抱き合う涼ちゃんとあの女を見て私は生まれて初めて感じる人への殺意を覚えた
 奪ってやる・・・・涼ちゃんは私の物・・・・誰にも渡さない


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