姉妹日記 第1話
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 窓から日差しが差し込む・・・・
 僕は空気を思い切り吸い込んで深呼吸した
「起きろ〜!!!!」
 布団を剥ぎ取る
「涼ちゃ〜んもう少し寝かせて・・・・涼ちゃんも一緒に♪」
 甘ったるい声を出して僕のお姉ちゃんの夏美が僕の首に両手を回した
 そして思い切り引き寄せると頬をすりすりしてきた
「ああ〜涼ちゃんだ〜♪」
「は、恥ずかしいからやめてよ・・・・」
 でも僕がいくら拒絶しても夏姉ちゃんは離してくれない
 いつもかんな感じ・・・・いつもどうやってこの抱きつき攻撃から開放されてるかって?
「こら〜、またか〜!!!!」
 大声をあげて部屋に入ってきたのは妹の冬香だ
 布団の中でもぞもぞ動く僕たちを強引に引き離して夏姉ちゃんを睨み付けた
「あ〜ん涼ちゃ〜ん離れないで〜♪」
「姉さん!速くしないと遅刻するよ!」
 強引に夏姉さんを立たせると冬香は僕の手を引いた
「どうしたの?」
「姉さんの着替え・・・・みたいわけ・・・・・」
 妙に声が低い冬香に圧倒されて僕はその部屋を出た
「あ〜〜〜涼ちゃ〜ん」
 猫撫で声で夏姉ちゃんが僕を呼んだけど冬香の威圧感に僕は勝つことができなかった

「いただきます・・・・」
「いっただっきま〜す!」
「ふか〜」
 僕と冬香それとまだ覚醒していない夏姉ちゃんの三人で朝ごはん手を付ける
「あ、お兄ちゃん・・・・口にご飯が付いてるよ・・・・」
 冬香が僕の口からご飯を取るとなんのためらいもなしにそれを自らの口に運んだ
「もう、こんなんじゃ彼女の一人もできないよ?もっとシャキっとして!」
「う、うるさいな・・・・」
 妹のくせに生意気な・・・・でも冬香のほうが精神年齢は上か・・・・悔しい
「仕方ないな〜涼ちゃんは〜・・・・ここはお姉ちゃんが人肌脱いであげる」
 ようやく覚醒したのか夏姉ちゃんがニコニコしながらそう言った
「今度の日曜日・・・・彼女ができたときにおどおどしないように姉ちゃんとデート♪」
 これで何度目かな?・・・・僕が中二の時からだから・・・・もう二年か
「あ、ずるい!今週は私の番!」
 土日のどちらかは二人のどちらかとデートに出掛けている
 二人曰く僕に彼女ができた時の予行練習らしい
 そんなこんなで僕は毎日を楽しく生きています

「あの・・・・神坂くん・・・・」
 放課後僕が帰ろうと身支度をしているろ後ろからか弱い声がした
 振り返るとそこには一人の女の子・・・・・
 この子は南条秋乃さん・・・・この学校に入学したときすぐに話題になった子だ
 確か成績優秀で品行方正・・・・これが重要なんだけどすっごく可愛い
 しかも!すごく大人しくて古きよき時代の女性って感じ
 まだ僕と同じ一年生なのにもう学校ではアイドル化されている
 実は僕も憧れてたりして・・・・・
「な、な、なにか・・・・・な」
 明らかに動揺している僕に秋乃さんはくすくすと笑んだ
「神坂くんって面白いですね・・・・ふふ」
 あれ?もしかして僕って子ども扱い?ちょっとショック
「あ、いけない・・・・私ったら・・・・あの・・・・その」
 急におどおどして身体をくねくねさせた
 か、か・・・・・・可愛い!!!!!
 その可愛さときたらもう・・・・
 普段可愛い姉妹に囲まれて免疫は付いてるはずだけど・・・・これはすさまじい破壊力です
 母さん・・・・
「ここではちょっと・・・・」
 人目を気にして秋乃さんは俺の裾を引っ張って教室から出るようにただしている
「わ、わかったよ・・・・えと・・・・屋上かな?」
 秋乃さんはこくんとうなずいた
 僕は微妙に触れる彼女の温かみにどきどきしながら屋上に向かった

「あの・・・・」
 またもじもじし出した・・・・
 可愛い・・・・
「わ、私・・・・・ずっと・・・・その!」
 勢いで秋乃さんは僕の手を握ってきた
 あ、わわ・・・・どうなってるの?今の状況・・・・
「す・・・・す・・・・・す・・・・・」
 え・・・・・なに?
 期待で胸が高鳴っていくのを感じる
「隙です!じゃなくて・・・・その・・・・・す、好きです!」
 時間が止まった・・・・
「私と・・・・付き合ってください!」


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