いつか見た夢 第5話
[bottom]

 ふふ、みんなバカみたい
 最後に勝つのは私なのに
 特に響子の奴・・・・ほんとバカ
 だってそうでしょ?コロナに殺虫剤入りのエサをやったのは私なのに
 気づかないで・・・・私の思惑通りに動いてくれた
 他の女とデート?ふざけるな!
 あなたには私がいるじゃない・・・・
 しばらくして幸治と菜穂とかいう女が付き合い始めたと聞いた
 私は嫉妬に任せて彼の部屋に野良猫の死体と血を残し写真をずたずたに裂いたのを置いた
 翌日になっても仲よさそうな二人を見て私は我を忘れた
 こうなったらあの女のすべてを壊してやる
 外側からじっくりと・・・・
 まずあの女の両親を殺した・・・・・
 そのあと不本意だけど響子に催眠薬を飲ませてあの女をけしかけた
 思ったとおりの内容だったけど・・・・だめじゃない
 どっちか死ななきゃ・・・・まぁ、いいわ・・・・
 彼らの行動なんてすぐに予想が付いた
 自宅には案の定あの女が居た
 私は気づかれないようにあの女の横にナイフを置いた
 予想道理に彼女は嫉妬に綺麗な顔を歪めて響子と口論していつのまにか刺しあっていた
 ふふふ・・・・あ、はははは!
 これでようやくこの嫉妬からも開放されるわ
 私がどんな気持ちだったかわかる?
 最愛の人を奪われ・・・・その人に私以外の女を抱かせた私の気持ちが!
 でも、これでおしまい・・・・・残ったのは私だけ
「な・・・・どうなってるんだ?」
 絶望の瞳が無気力にその場に向けられた
「幸治・・・・・」
「あ・・・・や?」
「みんな殺してやったわ・・・・私たちの邪魔をするメス豚たちを」
 驚きの瞳が私に向けられそのあとすぐに怒りのそれが変わっていく
「お前がこんなことを!」
 胸元をつかまれ私は押し倒された
 なにを怒ってるの?私は・・・・
「許さないぞ!綾!」
 そう、そうなのね・・・・あなたは私を拒絶するのね?
 ならあなたを私だけの物にしてやる!
 私は忍ばせておいたもう一本のナイフを取り出すとその胸に・・・・
「く・・・・・」
 その前に響子が私の腕を掴んだ
「・・・・・っ!」
 そのまま二人で道路の方へ投げ出される・・・・
 え・・・・なに?・・・・・トラックが迫ってくる
 そして意識が光に消えた・・・・

「きょ・・・・・響子?」
 響子の口が動いた
 ご      め       ん     な      さ     い
「響子!」
 綾と共に響子がトラックに轢かれてしまった
 あ・・・・・・あ・・・・・俺は!
「あーーーーーーーー!!!!!!!!!!」

 数年後・・・・・
「今日は天気がいいですね」
 幸治さんは微笑んでうなずいた
「そう・・・・だね」
 あのあと私はなんとか助かることが出来た
 急所は外れていたらしい・・・・これが最後まで彼女が自分と戦っていた証拠だと思う
 幸治さんはいまだあのショックが癒えていないらしい
 いつか・・・・必ず・・・・私が癒してさしあげます
 もう少しだけ・・・・待っていてください
「ありがとう・・・・・菜穂」
 愛しています
 これからもずっと一緒です

 

 

 

FIN


[top] [Back][list]

いつか見た夢 第5話 inserted by FC2 system