いつか見た夢 第4話
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 今日は少し寂しい
 幸治くんが・・・・恋人・・・・らしい人とデートらしい
 正直な話おもしろくない!
 嫉妬の炎がメラメラと燃え滾るのを感じた
 でも今の私じゃ子ども扱いか妹のようにしか見てもらえないのはわかっている
 今に見てなさいよ・・・・必ず私の魅力で幸治くんをメロメロにしてやるんだから
 ワンワン!ワンワン!ワンワン!
 コロナが外で吠えている
 なんだろう?庭に出てみるとそこには綾さんがコロナに食べ物をあげていた
「あ、ごめんね・・・・勝手には」
 綾さんは申し訳なさそうに両手を合わせた
「いいよ、別に・・・・・」
 数時間後コロナが倒れた
 どうしようか迷ったけど私は幸治くんにメールした
 すぐに駆けつけてくれた幸治くんがなにもできないでいる私に変わってコロナを病院まで連れてくれた
 獣医さんが大丈夫だと言ったときすごく安心した
 でも、おかしいなと思った・・・・だって今日は散歩に連れて行ってない
 ふとある疑問が私の頭をよぎった
 小さな疑問が次第に大きくなっていくのを感じる

 また幸治くんがデートに出かけた日・・・・またコロナが倒れた
 その次も・・・・また次も・・・・
 そして私はあるひとつの恐ろしい答えを導き出した・・・・
 コロナが倒れた日は必ず綾さんが来ていて
 コロナにご飯をあげている
 わからなくなった・・・・こわかった
 私の弱気が無意識に幸治くんへのメールに出ていた
〈幸治くん・・・・早く戻ってきて!〉
 しばらくしても連絡はない・・・・どうしよう
〈幸治くん・・・・・幸治くん・・・・私どうしていいかわからないよ〉
 また不安がメールに出ていた
 10分後幸治くんが来てくれるで私はなにも考えられないほどに混乱していた
 けど、疑問はすぐに解消された・・・・
 ある日幸治くんがお風呂に入ってるときだった
 綾さんが幸治くんのケータイをいじっているそして日記帳のようなものを取り出してなにか書きこんだ
 そのあとすぐに日記を懐に忍ばせてその場を去って行く
 そのとき彼女から日記が落ちた
 私はそれを拾うと・・・・テーブルにある幸治くんのケータイを取って彼女が何を見たのか確認した
 履歴を確認していたみたい・・・・当たり前か
 そのあとすぐに私はケータイの電源を切って元のようにテーブルに置いた
 そして日記帳を取り出し中身を確認する
 な、なにこれ?日付ごとに幸治くんの写真が載っていてそのあとには幸治くんの行動が
 事細かに書かれていた
 最後にケータイの履歴が日付ごとの欄に書いてある
 そしてあの日・・・・幸治くんと菜穂さんが付き合い始めた日
 私は幸治くんの呆然とした顔を見てしまった
 部屋に目をやるとそこには赤しかなかった
 私は気づかないふりをして幸治くんを下に誘導した
 その次の日・・・・
 私は血に染まった彼女を見つけた
 怖くて逃げ出す私を捕まえて彼女は薬を私に無理やり飲ませた
 綾さんの声が頭に響く
「幸治を物にしたくない?いまなら大丈夫よ・・・・」
 光が差すと向こうに幸治くんが見えた

 まるで私の身体じゃないみたいに私は幸治君と無理やりに性行為をした
 朝まで性行為を続けていると菜穂さんが部屋に入って来た
 また綾さんの言葉が頭に響く
「邪魔な奴は消してやればいいのよ・・・・」
 また身体が勝手に動く・・・・どこからかナイフを取り出し彼女に突き立てていた
 しばらくの間のあと私は意識を失った
 かつかつ・・・・足音が聞こえてくる・・・・
「まだよ・・・・・まだあなたは役目を果たしていないわ」
 気づいたとき私は菜穂さんにナイフを突きたてていた


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