とらとらシスター 第25回
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 青海と楽しく放課後デートを終え、自宅に帰ると思わず溜息が溢れてきた。どうも昼の
ことでフラストレーションが貯まっていたらしく、必要以上にくっ付いてくる青海は僕を
 いかに愛しているのかを言ってくれたけれど、正直疲れたという感情もあった。
 何よりも、初めて手を繋いだ理由がこんなものだったのが少し辛かったりする。
 未だに青海と手を繋いだことがなかったので勿論嬉しいけれど、何なんだろうこの違和感は。
 理由を考えてみる。
 浮かんできた答えはごくシンプルなもので、出来ることならもう少し良い感じの流れで
 こういうことをしたいという個人的な感情が、原因なんだろう。思考に浮き上がってきたのは
 それだけじゃない。それと共に沸き上がってきたのは罪悪感。
 殆んどの友達に浪漫が足りないと言われている僕でさえそんな風に夢見るのならば、
 女の子の青海はもっとそうしたかった筈だ。それなのに今までしてあげられなかったことと、
 つまらない嫉妬で行動させてしまったという後ろめたさが辛くさせる。
 厳密に言えば違うかもしれないけれど、初めての恋愛だ。
 でもそれを抜きにしても、彼氏としてはもう少し頑張った方が良いのかもしれない。
 部屋に入り、上着を脱ぎ捨てる。
「朗漫か……ときめけ☆青春浪漫回路!!」
 叫んでみても、どうなる訳でもない。

 軽く溜息を吐き、上着をハンガーにかけようとしていると、
 軽音。
 誰だろうか、と思いノックの音の方向を見て、
「どうぞ?」
「失礼します」
 小さな音をたてて扉を開いたのは、サクラだった。晩御飯の準備が早く終わったのか、
 それとも早く終わらせてきたのか、時計を見て確認してみるといつもより若干早い。
 サクラも青海と同じような状態だったらしく、よく見てみると少し浮足立っていた。
「今ブラシをかけるから、座って待ってて」
 変にがっついてどうこうなるのが嫌だからだろうか、僕を脅して関係を強要している割に、
 サクラはいつものようにおとなしくベッドに腰掛けた。昼のことも少し気にしているんだろう。
 話がこじれるのは嫌だから訊かないけれど、その辺りのバランスをたまに不思議に思う。
「兄さん」
「何?」
 待たせるのもなんなので、手早くブラシをかける。
「さっき部屋に入る前に妙な言葉が聞こえてきたんですが」
 聞かれていたのか!?
 危うく落としそうになったブラシを気合いで受け止め、
「気にしないの、若さを求めていただけだから」
「そうなんですか」
 小首を傾げてこちらを見るサクラは、いまいち理解できていないような表情を浮かべていた。
 それはそうだろう、僕だって何であんな言葉が出てきたのか分からない。
 もしそれをサクラが理解できていたとしたら、少し家族のあり方を説くところだ。
 そんなことを考えている内に、制服は綺麗になっていた。

 そして、今からはあちら側の時間。
 軽く目を閉じて心の扉を開き、向こう側へと渡り、しっかりと施錠する。
 日常の方の僕が何か言いたそうな、心配そうな目で僕を見ていたけれども気にしない。
「兄さん、そろそろ」
 僕は黙ってサクラの隣に腰掛け、唇を重ねた。最初はまだ付き合いの浅い恋人がする、幼いもの。
 これを合図に始めるのが好みらしく、幾秒も経たない内に離すと照れてはいるが
 嬉しそうな表情で僕の顔を見つめてきた。それがとても可愛らしく、思わず頭を撫でると
 今度は擽ったそうに小さな笑い声を漏らす。
「兄さん、早く」
 言われ、急かされて僕はサクラの襟に手をかけた。壊れ物を扱うように
 丁寧にボタンを外していくと、華奢な瑣骨や、スリップ越しでも分かるような
 膨らみのない薄い乳が見えてくる。そのままスリップとシャツを脱がせスカートを降ろすと、
 サクラは靴下とショーツだけの姿になった。最初は靴下を穿いたままの状態にしたことを
 訝しんでいたけれど、個人の性癖だけはどうしようもない。
 服を脱いで今まで以上に華奢に見える体を抱き締め、キスをする。
 今度は、お互いの舌を絡める濃厚なもの。奥深くまで舌を伸ばして唾液の交換し
 音をたてて飲み込むと、媚薬を飲まされたような感覚になる。
 それはサクラも同じようで、幼い外見とそぐわない程に唇を妖しく歪め、笑いかけてくる。
「もっと、下さい」
 この一言で、箍が外れた。

 また唇を重ねると、口内を乱暴に掻き混ぜながらシーツの上に押し倒していく。
 片手で柔らかな髪を撫で、もう片方の手は首筋へ。その手で軽く擦るように撫でると
 サクラの口から溢れてくる、小さな笑い声が耳に快い。次に瑣骨、更にその下へと滑るように
 下ろしていく。乳の頂点にある桜色の突起を弱い力で抓むように擦りあげ、
 撫でると声が今まで以上に甘いものへと変化した。小豆よりも僅かに小さな大きさながら、
 それでも固くなり事故主張しているそれを少し強めに捻ると、更に声が高くなる。
 肌から伝わってくる女の子特有の柔らかい感触よりも、口元からの水音や荒く途切れる息遣い、
 僕をひたすらに求める声で興奮が高まってくる。それと共に、自然と指の動きも激しく加速する。
「にい、さ、ん。し、たも」
 リクエストに応えて、髪を撫でていた手を下半身の方へ移動させた。
 淡い桃色の下着のクロッチ部分は既に湿っていて、押すようにして指を動かすと
 指先に伝わる液体の感触がすぐに広いものへと変わってくる。
「撫でるよ」
「は、ひゃい」
 耳元で囁くように言うと、顔を赤く染めて頷いた。
 言葉の通りに、撫でる。下着越しであるにも関わらず、豆を親指で揉みながら割れ目を擦ると
 サクラの体が小さく震えた。下は弄り始めたばかりなのに、一度目の限界はかなり近いらしい。
 一旦手を止め、後ろの穴をつつくように押すとそれで達してしまったらしく、
 体を大きく弓なりに反らせて大きな声を漏らした。

 数秒。
 息をきらせて脱力しているサクラの下着を脱がせて、今度は直で秘部へと指を伸ばす。
 口や両手を使い左右の胸の突起や下の穴を二つ、弱点らしい豆を責めると
 快感が強すぎるらしく、シーツを噛んで堪えているものの、
 それでも部屋の外に聞こえる程の声を出して僕にしがみ付いてきた。
 断続的に達しているらしく、顔を覗き込んでみると瞳の焦点は虚ろで、
 口元のシーツは絶頂を迎える度に声と共に漏れる唾液のせいでかなり濡れている。
 もう入れて良いだろう。
「サクラ、今日はどっちが良い?」
 どちら、というのは、サクラは両方の穴を使えるということだ。僕も最初の頃は
 後ろの穴を使うことに抵抗を感じていたけれど、慣れもあるが、
 何よりサクラ自身が気持ち良さそうにしているので毎回どちらの穴を使うか訊くことにしている。
 幾らか時間をかけて僕に焦点を定めると、サクラははにかみ、
「今日、私は悪い娘でした。青海さんと喧嘩しちゃって、つい怒ってムキになって。
 このことも危うく言ってしまいそうになりました、本当に悪い娘です」
 この流れだと、後ろだろうか。膝の裏に手を伸ばし、脚を抱えあげて、固くなった僕のものを
 中間辺りの位置に当てがった。どちらでも簡単に入れることができる。
「だから、後ろでお仕置きして下さい」
「分かった」

 果たして、結果は予想通り。言いながら、既に当てていたものを後ろの穴の中へと
 侵入させていく。勢い良く進めたせいか刺激が強かったのらしく、小さく涙を流し、
 シーツを掴んで体を大きくのけぞらせた。漏れる声はもはや我慢をせずに、
 垂れ流しの状態になっている。
 僕も状態は似たようなもので、靄がかかったような思考の中でも自覚が出来る程に
 呼吸が荒れている。前の穴とは違いひだが少ないものの、
 そちらの穴より強い圧迫感で責めてくるそれは、強い快感を脳に叩き込んでくる。
 しかしサクラはまだ足りないらしく、更なる快感を得るべく僕と唇を重ねてきた。
 舌を絡め、空いている僕の手を使って自分の体をまさぐっている。
 数分。
 限界が近い。
「どっちに、出す?」
「な、かに、く、ださい」
 言い終えるのと同時、揺れていた小さな体の動きが止まって、僕を抱き締める力と
 穴の締め付けが強くなる。絶頂に達したサクラから少し遅れる形で、僕も射精をする。
 下にタオルを敷きながら僕のものを引き抜くと、その上にサクラの後ろの穴から
 白い液体が糸を引いて垂れてくる。何度見ても、このいやらしい光景に飽きが来ることはない。
「見ないで、下さい」
「あ、ごめん、つい。可愛いって言うか、綺麗だったからさ」
「もう、兄さん」
 恥ずかしそうに笑って言うサクラは、しかし少し不満そうだ。
 数秒。
「兄さん」
 やや気不味い沈黙を破ったのは、サクラの方だった。
「嫌いにならないで下さいね?」
「当然だろ?」
 そう、裏と表が隣合う奇妙な生活だけれども、これで良い。
 姉さんもサクラも愛して、
 青海と仲良く恋人として過ごす。
 僕はこんな暮らしが好きになってきた。

『"The Double Tiger Sisters" Like Like Tiger』is END


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