生きてここに… プロローグ 第3章
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「・・・・あなたがイジメのリーダーだったのね」
その目は殺気立ち今にも飛びついて来そうだった
しかしそれをせずにあの女は私の足元に倒れている子を抱えた
「・・・・・この子おねがい」
近くに居たあの女の友達がうなずく
そして私を睨み付けた
あの女はもう一人の子を抱きかかえると私を睨み付けてその場を去って行った
「いいの、あの人・・・・流くんの」
「今はね・・・・・我慢のときなの」
熟した果実になったらたっぷり狩ってあげるよ
その綺麗な顔をズタズタに引き裂いてその皮を仁さんに贈ってあげる
醜いあなたを仁さんはもう愛してはくれない
でも、まだ熟してないから
もう・・・・そろそろかな?

悲しいな・・・・
仁くんとの帰り道
いつもは楽しいはずなのに今日は沈んでいる
私は先生に頼まれて陰湿なイジメのリーダーを探っていた
医務室から出て少し落ち着いた私は仁くんの帰りの準備が終わるまで
友達と物陰や倉庫などイジメの場所にされそうな場所を探索していた
もちろん出くわした時に報復を受けないように離れて歩く友人を一人と隣にもう一人付けて
そして・・・・見つけてしまった
主犯格が香葉さんだとわかった瞬間なぜか私は強気に出た
友達は危ないと言ったが私は引かなかった
私は怒りを抑えてケガをした二人を連れてその場を去った
医務室に付くと同時に気が抜けてひざを付いてしまった
そのあと二人は病院まで送られていった
仁くんはまだ立てない私を遅いからと探しに着てくれた
仁くんが支えてくれた
少し泣いてしまった・・・・
仁くんは理由を聞くでもなく抱き止めてくれた

 

その後私は仁くんに支えてもらって職員室に運んでもらった
仁くんを待たせて
先生に報告をする
難しい顔をした先生がもう一度確認してきた
私は強くうなずく
先生はわかったと言って苦笑いを浮かべた
『学生会副会長だという理由だけで頼んでしまってすまなかったあとは任せてくれ』
それを聞いて私は仁くんの元に戻った
また少し泣いてしまった
「詩織?」
仁くんが不安そうな顔で私を見ている
「なにがあったのかは聞かないけど、無理だと思ったら言ってね?」
「うん・・・・・仁くん」
もう少しがんばってみよう
私なりになにかしてもみよう
なにかあっても仁くんが護ってくれるよね?


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