私は家に着くとすぐに部屋にこもり、おもむろに電気をつける。
すぐに眼前に広がる、部屋1面にはりつけられた純也くんの写真。
ふふふ、ただいま純也くん。
昨日の試合後、私は部屋に着くなりインターネットで兵藤純也を調べた。
キーワードを入力し、検索ボタンをクリックする。
すぐにたくさんのヒットが見つかる。その中には大量の画像もあり私はその全てを印刷し、
部屋中にはりつけておいたのだ。
たくさんの純也くんに見つめられ、私は幸せな気分になる。
昨日、頑張ってよかった。
私は自分で自分を誉め称えた。
……そうだ。
私はある事を思い付き、急いでパソコンの電源を入れ、インターネット回線を繋ぐ。
キーワード入力……
兵藤純也 高山円香
検索ボタンをクリック。
……ヒット件数は……ゼロ、か。
まぁ、しょうがないか。今はね。
でも、すぐにこの二つのキーワードでたくさんヒットするようになるんだよなぁ。
あっ、でも、その時私は「高山円香」じゃなくて、「兵藤円香」か。
兵藤円香……、なんて素敵な響きなのだろう。
私はしばらく幸せな妄想に入り浸っていた。