広き檻の中で 番外編 『この子どこの子?』 番外編4話
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夢を見た。あれからすぐに帰ったらまだ二時前だったので、体力回復をはかろうとしたら……
なんで夢なんてみるかなぁ。
まるで海の中に沈んでいるような。そんな感覚で体がふわふわする。おぁ……気持ちいいなぁ……
と、次の瞬間にぴかっとひかる……その光のなかで一人たたずむ人がいた。
向こうをむいて座っている。
「あの〜。もし、そこのかた。」
俺の声に振り向いたその人は………
「あ、晋也〜。久しぶり〜。」
「あ、お嬢!うっ!」
俺に気付いた途端。タックルをかますように抱き付いてくる。アウチ!夢でも痛いヨ!
「スゥーーー……あぁ、久しぶりに晋也のにおい………やっぱりいいなぁ……」
みずおちの辺りに顔をうずめて深呼吸をしている。やっぱり……身長伸びたなぁ。
ってお嬢が変わらないからか?
「どーしたん?こんなとこに呼び出してさ。」
「なによー。久しぶりなんだからもうちょっと感動してもいいじゃない。」
ブウ、とむくれるお嬢。うーん、なんていうか……
「お嬢、幼児化してない?言動がやたらと子供っぽい気が……あいでっ!」

足を踏まれた。
「もうっ、私は遠藤家当主の遠藤佐奈じゃないのよ?一人の少女なんだから。」
ふむ、ずいぶんと神に近い少女だ。
「実はさー……ちょっと忠告にきたんだ。」
「ん?忠告?って、おまっ、それは悪い事に使う単語……」
「ビンゴッ!ちょっと悪戯しちゃってさー……」
「悪戯って……なに?」
「この前、あんまりにも晋也と志穂がラブラブバカップルをしてるのを
街中でみかけちゃったから……志穂の夢を……ちょっと…ね?」
「ちょっと……なに?」
「私と晋也が……ラブラブしてる夢をみせちゃった……」
「……おぅ、じーざす。」
俺は天を仰いだ。この少女はまるで悪魔のような、いや、悪魔ね心をお持ちである。
志穂はもともと不安がるととことん心配する性格なんだ。
だからたとえ夢だろうとそれを真にうけて………
「ってお嬢!被害受けるのは俺……ってもういない?」
見下ろしてみると既にお嬢はいなかった。ただ、最後に一言……
「うふふ、頑張ってねぇ。」
と天の声が聞こえたのが、夢の最後となった。………ちくせう。恨んでやる………

「うぅう………」
徐々に夢から現実へ移行していく。体がリアリティを取り戻していく。
それと同時に……下腹部に違和感が……もとい、快感が。
「……んむ……うん……くぷ……」
目をうっすらと開けると、寝ぼけ眼から一転。神速で目が覚めた。
なぜなら………うん、さっきのかぎ括弧の音でわかると思うんだ………
「……し、志穂?」
「んく……んんっ、ちゅっ……ぷあ……あ…んぅ…おひゃひょう、ひんや。」
「志穂さん……朝っぱらからフェラってますか。」
「ぷはぁ…だって……見たら大きくなってたんだもん……ナミちゃんに見せられないでしょ……」
いやいや、この状況を見られたほうがまずいんじゃね?という正論が頭に浮かんだが、
同時に『性欲>理性』の図が浮かんだため、打ち消されてしまった。
oh〜God!我が煩悩、尽きる事なし!
「ところで……晋也……かぷ……」
あ、あらら?なんか危険な構造ですよ?志穂の尖った八重歯(←ここ!俺の萌ゆるポイント!)が
息子の先端にロックオンされる。これだけなら気持ちいいんだが………
あ、危ない!逃げてー!Myサン!

「お嬢って……知ってる?」
ピク
その戦慄を呼び覚ます単語に、俺の欲望の塊の部分が反応する。嗚呼!なんてすなおなんだ。
「さきっぽふくらんだ………知ってるんだ……」
「まぁ……知らないっていえば嘘に『カリ!』おうわ、なにするやめ…」
八重歯で刺してくるかと思ったら予想外。甘噛みをしてきた。違う予防策を考えていた俺は、
見事だまされて快感に悶えてしまった。
「ふふ……悲しいなぁ………私の知らないところで……女と知り合いになるなんて……」
「いや、べ、別にただの知り合いってだけで、お前が考えてるようなもんでは……」
「本当に?」
「おう。」
「まじに?」
「イエス。」
「絶対絶対、ぜぇったいに?」
「ウィ。」
「嘘だったら、『これ』切るよ?」
「サー!イエッサー!」
志穂の尋問がキツくなる度、俺の返事の錬度(?)が増す。
「そう………じゃあ、一応信じたって事で……イカせてあげる。」
妖艶な笑みを浮かべた志穂の幼い顔にゾクリときた自分を、ロリコンだと再認識した。
カミングアウトでもなんでも来いってんだコノヤロー!
「ちゃ……ちゅる…んぅ……あく……ちゅううううっ!」
「ぐあせふなたきをたかさ!?」
強襲する快感の刃に、構築未十分な言葉たちが溢れる。
そしてそのまま、吸われた勢いで志穂の口に発射した。
びゅるるー!びゅ―……びゅっ…
「んんん……んく……ちゅうう……まだ…残ってる……ちゅるる……」
ママン。僕がミイラとなる日は近いです。足腰が寝たままガクガク震える。
昨日の夜から二連戦とは……さすがの俺もおもいつかなんだ。志穂…恐ろしい子!
「ふう……朝ご飯はこれでいいわね♪お腹いっぱい。」
「……かゆ……うま」


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