広き檻の中で 第29回
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「う……うわ…っとぉ?」
目覚めると、そこは真っ白な部屋だった。とにかく白い。どこが天井で、壁なのか。
距離感が狂うほど一面が白かった。
「なんの部屋だってーの……」
イスから立ち上がろうとすると……
ガチャガチャ
「おろ?」
動けなかった。両手を後ろに回され、手錠がかけられていた。
足もイスの『足』と一緒にくくり付けられるように、枷が巻かれていた。しかもその先には重り………
胸の辺りにも鉄のベルト……
「ヒュー。随分と清潔感溢れる監獄だなぁ。」
腰イテェ。腕いてぇ。体が硬い俺にとって、これだけでも拷問だヨ!
カチャ
と、その白い空間が切れた。もとい、ドアが開いたんか。以外と広いな。
「あら…起きたのね。」
「あぁ、お嬢。……おはよう…カナ?」
時間が分からない。
「ええ、おはよう。」
そう言って歩み寄る。ゆっくりと、静かに。顔は今までに見たこともないほどの笑顔だ。
「あのさ〜。これ、とってくんないかなぁ?」
「ダメ。」
ウップス。一蹴かよ。
「だって……ほどいたらたまあの女の所にいっちゃうでしょ?」
耳元で囁くように話す。吐息が耳に当たって………
「!!?」
飛び上がりそうな(無理だが)快感が全身に走る。息がかかっただけなのに………気付けば体中が熱い。
「せっかく私の物になったのに……あんな死に損ないに寄り添ってるんですもの……
だから、こうしておけば逃げないでしょ?」
絶えず降り懸かる吐息による快感に、顔を動かして我慢する。
「あら?予想以上の効きめね。」
「なぁ〜にやったんだヨ!お嬢。」
後ろに回り、肩にもたれかかるように抱き付かれる。それだけで果ててしまいそうな気持ちよさだ。
全身が快楽を司る神経のように。

 

「ちょっと薬を、ね。ふふふ…大丈夫よ。副作用はないから、安心して気持ちよくなってね……。」
いや、そういう問題じゃないって。これじゃあ理性が壊れるのも時間の問題だ。
いつもどおりのテンションでいこうか!
「ふはははは!!!我が難攻不落とよばれた鉄の体。そうたやすくは落とせまい。
さすが俺!ビクともしないぜ。」
じぃー
チャックを開けると、そこには言葉とは反して猛々しい一物があった。
「Oh!な、んて……こったキャシー。効果は…ば、抜群だね!」
どこぞのTVショッピングのようなリアクションを取る。いかん。
さすがにこれはきっついなぁ……洒落にならない。
「ふふふ…もうこんなにしちゃって。苦しそうね。」
そのまま後ろから軽く扱かれると。
「うぐ!」
ドクン!
と、果ててしまった。手で擦られただけで、いつも1.5倍(当社比)の量が出た。精液の量も増やすのかぁ。
そ、それにしてもこんなに早いのも……恥だな。うん。
「ペロ…ふふ…ペロ。たくさん出たね…」
手に付いた精液を舐めとるお嬢を見て、更に興奮度が増してしまった。ふ、不覚ナリ…
「あら?…まだやりたりないのね……でも今日はもうお終い。」
「え!?」
あ、やば。つい反応しちまった。これじゃあ墜ちたとおなじじゃねぇか。
「そう、そうよ。…もっと私を求めて……私の体無しじゃあ居られないぐらいにしてあげる。
あの女なんか、二度と思い出せないぐらいにね……。」
そう言って、一回大きく笑ったあとに部屋を出ていった。残ったのは俺とまだギンギンのペニさん。
「が…はぁはぁ……ぅ、う…はぁ…ほ、放置プ、プレイがお好きかい?
…はぁ…はぁ…俺、sなんだけどなぁ……。……志穂…」
この状態。何時までもつやら………


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