鏡 Revenge 第3回
[bottom]

真由ちゃんとひとつになった。これで真由ちゃんも悲しくない。涼くんに一緒に愛してもらえる。
だから涼くん、頑張って二人分愛さないとね。ずっと一緒。涼くんはわたしたちだけのもの。
「ウフフフフ…起こしてあげよ。」
もうそろそろ起こさないと遅刻しちゃう。鍵を使って中へ入り寝室へ。
「ふふ、涼くんの寝顔…」
私だけの特権。決して誰にもみせやしない。見たいなら命を代償にしてもらおう。
もっとも、涼くんの寝顔を見たい人なんて私以外にはいないけどね。
そんな事を考えていると、急に不安になる。
誰が私以外にこの部屋に入った猫がいるかもしれない。起こすのを後にして。居間の机や引き出しを漁る。
面白いぐらい何もない。やっぱり無欲な涼くんだ。
と……机の上の携帯が目に入る。
まずはメール。暗証番号は知ってる。初期設定のままだ。
「…………なに…これ」
メールを見る度に理性が壊れていく。私とのメールはもちろん多いけど、所々別の女のメールがある。
「誰よ…これ……」
アドレス帳をひらいて、グループ分けを見る。その女は『委員会』になっていた。
でもその女とのメールは委員会とは全く関係のない雑談だった。この雌、涼くんを狙っているのか。
今度無理だと言う事を教えてやらないといけない。他にも虫がいる。みんな消さないと。
結局私以外の女からのメールとアドレス帳を消した。これでよし。駆除完了。
「涼くんのアドレスも変えた方がいいかも……」
そのとき、涼くんが起きる音が聞こえた。携帯を戻し、寝室に入る。
「おはよ!涼くん!」
涼くんはまだ少し眠そうな顔で私を見ていた。そんな表情も愛しい。
「おぅ……真奈……くぁ。どうした?」
「んーん。ちょっとお掃除してたの。ずいぶんと汚れてたから。」
「そうか?……こまめに掃除してんだけどな……」
「ふふ、大丈夫。これからは私がちゃんときれいにしてあげるから。」
身も心も、私だけにしてあげる


[top] [Back][list][Next: 鏡 Dimention 第1回]

鏡 Revenge 第3回 inserted by FC2 system