鏡 True 第6回
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ただもがいても駄目だ。冷静に道を探し出せ。考えろ………
「そうだ…」
後ろのポケットをあさる。確かここに…
「あった!!」
家の鍵だ。ギザギザ部分を使えば何とかなるはずだ。他に方法はない。
ずりずり
「くっ!ぐぅ。イツツ!」
体が堅いため、肩の筋がつりそうになる。
ずりずり
もう少し…
ずりずり
ブチ!!
「切れた!!切れやすい紐で助かったな。」
まだ安心するのは早い。すぐさま足の紐を解き、部屋を飛び出す。
まだ少し頭がクラクラするがかまってられない。急がないと…






病院
「森崎真奈の見舞いに来たんですが…」
「あ、毎日ご苦労様です。」
看護師に挨拶をし、真奈の病室に行く。もう少し。もう少しで涼は私の物に…。
真奈は杉田の好きにしてもらえばいい。たとえ誰かにばれたとしても、その時は杉田を切り捨てればいい。
まさか双子の妹が姉を凌辱させるなんて誰も信じないだろう。
ガチャ
「やあ。真由さん…」
もう杉田は病室に来ていた。他にも二人男がいた。待ち切れない様子だ。本当に馬鹿な男たち……
「声を掛けたら集まってね…人が多いぶんには構わないだろ?」
「もちろんです。杉田先生。」
「真由…どうしたの……?」
「姉さん。涼さんは私が貰います。あなたは…杉田先生たちに犯されるのよ。
そうすれば、涼さんは私だけを見てくれる…。汚れたあなたに魅力なんてないでしょ?」
真奈の顔が青ざめ、目が見開く。
「な……何言ってるの?真由…冗談でしょ?」
「いいえ、本気よ。言ったでしょ?涼さんは私の物だって…先生。ではどうぞ。」
「ハアハア…ああ、やっと…ハアハア」

杉田がハンカチを真奈の口に当て、声を塞ぐ。残りの二人が真奈の服を剥いでいく。
よほど我慢していたのだろう。服を脱がすのに焦っている。
「そう慌てないでください。まだまだ時間はありますから。」
「ぐぅ!い、イヤァァァ!!!た、助け…助けてぇー!涼くん!涼くん!」
ビリビリビリ!
結局服は破かれ、真奈は下着だけになる。
「あぁ、ハアハア、もう我慢できない!!」
「いいねぇ、その顔…余計そそられるねぇ…」
男達はカチャカチャとベルトをはずし始める。なんとか抵抗しようと、真奈ももがいて必死に叫ぶ。
「無駄よ。涼さんは来ないわ。いえ…来れないわ。ましてやこんな真夜中に…誰も気付きはしないのよ!」
鞄からカメラを取り出す。『勝利』を収めるために。
自分と同じ顔が犯されるのを撮るのは少し気が引けると感じた時…………

バァン!!

おもいきり開かれる病室のドア
「マナァ!!」
聞こえるはず……聞こえてはいけないはずの声が聞こえる。
愛しい声…でも今は聞きたくなかった声………
「どう…して…?」
振り向いて声を掛ける。だがすでにその声の主は自分の横を駆け抜けていた…


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