鏡 True 第4回
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真由が病室を出ていった。杉田に話があるというのが気になったが、今は真奈のそばに居る方がいいだろう。
「本当に何も覚えて無いのか?」
「うん…涼くんと別れてから……よく覚えて無い…」
「そうか…まあ無理に思い出そうとするなよ。」
そう言って真奈を抱き寄せる。
「うん…大丈夫。」
この方が都合が良いかもしれない。まだ知るのは早すぎる。
「そろそろ面会時間も終わりか…。じゃあかえるからな。」
「うん。あまり心配しないでね。本当に大丈夫だから。」
「馬鹿。心配するにきまってんだろうが。」
そう言って頭を小突いて病室を出た。
「はぁーーーー……」
地獄に届きそうな程の溜め息を吐く。これからやることを考えると仕方が無い。
「確認は、しとかないとな。」
あの事故現場。一点引っ掛かっていた所がある。
それさえ確かめられれば真由が……真奈を事故に遭わしたという証拠になる。
それを警察に言った所で犯罪として認められる確率はゼロに等しい。
だが、真由には償いの気持ちを持ってほしい…俺しか、言ってやれる奴は居無い。
いまさら怖いだなんていってられない。
全てを終わらすため、アパートへと歩き始めた。
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